アイコン こども病院人工島移転(4) 落札建物に落第点を付けた謎のX委員

こども病院人工島移転建設案件「1社入札 危険性シリーズ」4回目となる今回は、落第点を付けた委員の審査項目の配点を見てみよう。
各委員はA~Fまでの6段階で採点している。当該のX委員が落第点となる最低点のF点を付けた項目を全部挙げてみる。

高島市長Ⅰ、事業計画、①事業に対する認識及び事業計画、「事業2」の「事業実施体制及びSPCの経営体制・運営方針(配点15/250)」

落札業者の提案内容は記載されていないが、6段階採点の最低点F点。
X委員にとっては、提案された「事業実施体制及びSPCの経営体制・運営方針」が全
く評価できなかった結果である。
 
②事業全体のマネジメント「事業4」の「業務のマネジメント」及び「事業5」の「モニタリング」も最低レベルの評価となっている。
 
③収支及び資金調達計画「事業7」「収支計画」及び「事業8」の「資金調達計画」も提案資料では、最低評価である。地方自治体では、PFI事業による病院経営失敗事例があり、慎重な見方をしたのであろうか。
 
Ⅱ、施設計画 ①業務プロセスにおけるユーザー本位の病院実現のための工夫「施設2」の「完成建物の性能確認の方法」
 
⑤「地球環境への配慮、エネルギー消費の削減等施設計画上、運営上の工夫」「施設12」の「地球環境に配慮した材料・手法・システムの採用」
 今では、省エネを意識したオフィスビルの壁を利用した太陽光発電など開発され、東京では建っており、そうした高い節電・省エネ意識が欠落した建物案になっているのであろう。灯りをLEDにしたところで、根本のところの建築思想に問題があったら、評価できないものとなろう。
 
Ⅲ、維持管理計画、②施設の性能確保及びライフサイクルコスト縮減への貢献「維持4」の「施設の機能・性能確保の確認の方法及び業務終了時の要求水準の達成確認手法」
 
以上、謎のX委員は8項目(全28項目)にわたって、最低点であるF点を付けている。
 
 当審査項目が、国などのガイドラインの受け売りか、独自に委員会が作成したのか不明であるが、全28審査項目(事業計画8項目配点50、施設計画12項目配点150、維持管理計画8項目配点50)により、各委員が審査したものである。
 
 詳細は福岡市民病院機構HP、「有識者委員会の審査講評13ページ」に記載されている
 
 
AB点を高評価点、CDを普通点、EFを落第点とした場合、X委員は、全28項目のうち、高評価点は0項目、普通が15項目、落第点のEF点は13項目に及ぶ。
 
学識経験者といっても、ピンからキリまでいる。これまでこうした病院のPFI事業の審査を経験してきた人や全くの素人さんまでいる。また、当事者で事業を早く進めたい福岡市立病院機構の総責任者の福重理事長も審査委員である。(審査の素人さんでも、今後肩書きが付き、それだけで喜んでいるお人もいる)
 
こうしたことから、1社入札制度は、審査委員が、いろいろな思惑やしがらみから開放されず、危い問題を抱えた入札制度といえるのである。
また、X委員のような落第点を付けた委員が指摘している問題点は、体裁上は福岡市への審査講評により発表されているが、本当のところは、点数に示した通りであることは疑いようがない。
 
高島君は、落札業者の中に、次回市長選挙で支援にまわることが決定的な大口企業(=現、商工会議所の会頭)が含まれ、当事業も計画通りに進み、シメシメと思っているだろうが、一市民として、税金を使用して建設される人工島のこども病院が、本当にこれでよいのだろうかと心配でならない。
 
よその地元メディア(一応も含め)は、落札グループに対して、いろいろ大きなシガラミがあるところばかりであり、代表してJC-NETで今後とも追及していく。

 

[ 2011年8月26日 ]
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