
週明けの東京株式市場で日経平均株価が5万7000円台に乗せたことは、国内外の投資家に強いインパクトを与えた。衆院選での自民党大勝を受け、市場ではいわゆる「高市トレード」が一気に加速した格好だ。背景にあるのは、単なる政局安定への期待ではなく、今後の経済運営に対する明確な方向性への評価である。
市場が最も強く反応したのは、高市早苗政権が掲げる積極財政路線、とりわけ国土強靱化を軸とした危機管理型投資の継続性だ。自民党が単独で3分の2を確保したことで、インフラ更新や上下水道整備、防災関連事業といった分野の予算が中長期的に確保されるとの見方が強まり、建設関連株を中心に資金が流入した。公共投資の重点が都市部にとどまらず、災害リスクを抱える地方にも及ぶとの期待が、相場全体を押し上げる要因となっている。
加えて、米国市場での株高も追い風となった。米国では成長投資を優先する政策運営への信認が株価を支えており、その流れが日本市場にも波及した形だ。とりわけ経済安全保障や先端分野での日米連携強化への期待が、輸出関連やハイテク株の買いを後押しした。
建設業界や地域経済への影響も無視できない。公共事業予算は当初予算に加え、補正予算による上積みが常態化するとの見方が強く、人手不足対策としてのDX・自動化投資への支援拡充も視野に入る。東北のインフラ更新需要や、関西圏での大型再開発など、地域ごとの案件が継続的に動く可能性がある。
一方で、株価高騰の裏側には課題も残る。積極財政がインフレ圧力を高め、金利上昇局面に入れば、資金力の乏しい中小事業者にとっては利払い負担の増加という逆風になり得る。また、予算が確保されても、担い手不足という構造問題が解消されなければ、実体経済への波及には限界が生じる。
今回の株価上昇は、政権の継続性と政策運営への期待を市場が一気に織り込んだ結果といえる。ただし、この株高が地価や建築コストにどのような影響を与え、地域経済や住宅需要にどのような歪みをもたらすのかについては、今後も冷静な検証が求められる局面に入ったと言えそうだ。