
大村市新庁舎建設工事。
いよいよ注目すべきは、どの大手ゼネコンが出てくるのか、という表面的な話だけではない。
今回の大村市新庁舎建設工事では、参加形態は3社によるJVとされている。
≪第四回≫大村市新庁舎は「3社JV」、市民が見るべきは、その組み合わせである。

大村市新庁舎建設工事。
いよいよ注目すべきは、どの大手ゼネコンが出てくるのか、という表面的な話だけではない。
今回の大村市新庁舎建設工事では、参加形態は3社によるJVとされている。

代表者には、一定以上の高い企業評価と、大規模な免震構造の庁舎等に関する施工実績が求められている。
さらに、構成員には県内業者、市内業者の参加条件も設けられている。
もちろん、大規模な免震庁舎を建てる以上、一定の施工能力や経験を求めること自体は当然である。
市民の税金を使い、何十年も使われる市役所を建てるのだから、安全性、耐久性、施工能力を厳しく見るのは当たり前だ。
しかし、問題はここからである。
その条件は、本当に合理的なのか。
そして、その条件によって、最終的にどの大手業者が代表者となり、どの県内業者、市内業者がJVに組み込まれていくのか。
市民が見るべき本丸は、まさにそこにある。
公共工事では、大手業者の名前だけを見ていても全体像は見えてこない。
「大手だから安心」
「実績があるから問題ない」
「地元業者も入っているから地域貢献だ」
そんな綺麗な言葉だけで納得してしまえば、公共工事の裏側は見えなくなる。
むしろ、市民が注目すべきは、その大手業者の周囲に並ぶ地元業者、下請業者、資材業者、協力会社、そしてそれらを結ぶ人脈や関係性である。
誰と誰が組むのか。
なぜその組み合わせなのか。
過去の公共工事でも、同じ顔ぶれが繰り返されていないか。
市内業者、県内業者の参加という名目の下で、特定の関係先だけが都合よく潤う構図になっていないか。
ここを見なければならない。
公共工事の世界でよく使われる言葉に「地元貢献」がある。
たしかに、地元業者が参加し、地域経済にお金が回ることは大切である。
しかし、その「地元貢献」が、いつの間にか「特定業者貢献」にすり替わっていないか。
「市内業者を入れています」
「県内業者も参加しています」
そう説明されても、その業者がなぜ選ばれたのか、どのような経緯でJVに入ったのか、誰が橋渡しをしたのか。
そこが見えなければ、市民にとっては単なる名簿の羅列にすぎない。
八代市の事件が突き付けたものは、まさにそこだったのではないか。
入札公告の文章だけを読めば、そこには立派な制度が並んでいる。
一般競争入札。参加資格。施工実績。地域要件。技術評価。
一見すれば、透明で公平な仕組みに見える。
だが、制度がいくら綺麗でも、その制度の中で誰が誰とつながり、どのような組み合わせが作られていくのかを見なければ、公共工事の本当の姿は見えてこない。
庁舎の壁や柱や屋根だけを見ていても、利権の構図は見えない。
見るべきは、建物の基礎よりも、入札の下に敷かれた人間関係の「基礎工事」なのである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次