アイコン 高松組の陳述書②

 当社も多くの建設会社と同様、工事を受注し、工事に必要な金額は融資を受けて工事を完成させ、工事代金受領後に返済を行うということで資金を回しており、いわゆる借入依存体質でありました。

順調に受注があるときは、若干の資金不安があっても、銀行などの金融機関への借入金返済期日の都度、再度借り換えが可能でした。とはいえ、結局は利益を先取りしているだけの状態ですし、資金繰りが完全に止まってしまわないまでも悪化傾向になってくると、例えば、Aという工事のために借り入れた資金を、他のBという工事のために流用しなければならない等の状態になってしまい、銀行から思ったような融資が受けられないことになると、瞬く間に資金繰りは悪化の一途をたどってしまいます。当社としても、借入金依存体質を改めるために、経営環境を改革しようと思っておりましたが結局は間に合わず、特にリーマンショック以後の市況の悪化による事業自体の減少と受注が減少してしまい、資金調達に大きな偏重をきたすようになりました。以下、詳述します。

(1)      上記のような状況下、平成20年9月には、5億1,210万円で請け負っておりました、
分譲マンションの(仮称)ロワールマンション波多江の工事代金が注文者である波多江駅前合同会社から分譲販売不振による支払不能という理由で入金されませんでした。
 本物件については、当社が完成物件を引き継いで販売いたしましたが、リーマンショック以後の市況の悪化により、大幅な値引き(25%)を余儀なくされているうえ、現在までのところ48戸中8戸しか販売できておりません。
 それに加えて、この物件の工事については、事前に銀行との間で詳細な打ち合わせをせずに当該物件施工のための資金として、地元銀行2行からそれぞれ借り入れを行っておりましたので、いわゆる二重調達が表面化してしまい問題視されました。いずれの銀行に対しても、滞納にならないように再融資などの措置を講じましたが、銀行の当社に対する信用は大きく低下してしまいました。そのうち1行は当社のいわゆるメインバンクであることから、事態は深刻化しました。
続く
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[ 2009年6月 9日 ]
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