アイコン シノケン(福岡)の現況

リーマンショック後、顕著になった不動産価格の値下がりから、同社の売却用開発不動産は価格面での交渉が難航したことに加え、金融機関の貸し渋りの影響も受け、買手側の資金手当てが出来ずにキャンセルが相次いだ。

その結果、前期の第4 四半期に販売を予定していた仙台花京院プロジェクト、台東区根岸プロジェクト、文京区湯島Ⅱプロジェクト、板橋区坂下プロジェクト、荒川区西日暮里プロジェクト、世田谷区桜丘プロジェクト、中央区勝どきプロジェクトがいずれも来期にずれ込んだ。そのため前期(09年3月期)の売上高は、08年期に比し▲49.3%減少の151億02百万円にとどまった。損益面においても、たな卸資産評価損の計上等により営業損失は▲18億26百万円、不動産ファンド事業からの撤退等により▲23億48百万円を特別損失として計上したため、当期純損失は▲41億45百万円、純資産は10億34百万円となっていた。
 新期になり仙台花京院プロジェクト及び世田谷区桜丘プロジェクトは、売却できたようだが、まだ5棟のプロジェクト物件が残っている。これらの不動産も販売交渉に入っているようだが、買い戻し条件付販売も計画されているといわれ、何を考えているのか全く分からない。限られた自己資本であり限られた範囲でしか損切り処分はできない。
福銀は同社子会社に人材も派遣(子会社の役員)しており、ここまできたら面倒見るしかないだろう。篠原社長のままで貸付金の株式化(DES)が望まれるところである。

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[ 2009年6月15日 ]
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