アイコン 素材メーカー回復基調

 日本鉄鋼連盟が18日発表した8月の粗鋼生産量は、11ヶ月連続で前年を下回ったものの、前月比では4カ月連続で増加。

石油化学の原料エチレン生産量は、07年10月以来1年10ヶ月ぶりに、水道管などの塩化ビニール樹脂の生産量も2ヶ月連続で前年を上回った。
増加要因は景気刺激策を取る中国を中心にアジア向け輸出が伸びていることにある。アメリカ経済も落ち込むところまで落ち込んでおり、少し回復している指数も出てきており、中国や東南アジア諸国はその恩恵を受けることにより、最大輸入国である中国は格差是正・インフラ投資など内需息切れの見方もあるものの、自然治癒力による回復が出てくるものと思われる。
 8月の粗鋼生産量は前年同月比18.3%減の831万1000トンで、下落幅は5ヶ月連続で前月(24.9%減)より縮小している(前月比では8.5%増加)。鋼種別では、用途の広い普通鋼が前年同月比14.5%減の681万2000トン、自動車などに使われる特殊鋼は32.0%減の149万9000トンであるが、前月比では普通鋼が8.5%、特殊鋼が8.4%それぞれ増加した。
以上の内容では、鉄鋼価格のこれ以上の値下がりは期待できず、値が下がるには中国経済の沈没しかない。


 石油化学業界は、8月のエチレン生産量は前年同月比3.6%増の62万8200トンで、エチレンプラント稼働率は前月比3ポイント増の97.0%と4カ月連続で9割を超えている。また、液晶テレビなど家電製品に使うポリスチレンと、自動車部材向け需要が多いポリプロピレンの輸出は、ともに前年比2ケタ増となっている。

 塩ビ業界は、8月の塩化ビニール樹脂の生産量は前年同月比5.2%増の14万7045トンで、出荷量も11.7%増の14万2294トンと2ヶ月連続で前年を上回っている。
 輸出量は58.3%増の6万8956トンと7ヶ月連続で増加。これに対し、国内出荷は12.5%減の7万3338トンと13ヶ月連続の前年割れ。ただ、下落幅は前月に比べて6ポイント縮小。国内は自動車、電機向けの回復は見られるが、住宅向けは依然冷え込み、本格的な回復とはいえない。家電のエコポイント同様、車両のエコ減税も当面継続せざるを得ない。

参照、ビジネスアイ

 

[ 2009年9月24日 ]
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