アイコン 【投稿】大人のいない選挙

平戸市長選投稿者 = 吉田松蔭

 平戸市を二分する市長選、市会議員選挙はこのようにして終えた。ふたを開けてみれば、前回の市長選挙がいかに均衡していたかがわかるし、今回の市長選がほとんど勝負にならなかったのを物語っている。だが、市会議員選挙をかさねあわせてみれば、事実、数の上では均衡をたもっていたはずで、この結果は意外であるという声も多い。

 数の戦いから見れば、圧倒的な勢力を見せつけた選挙だが、舌戦、選挙運動内容そのものから考えれば市政史上最高の激戦であったといっていい。
 市議会で候補者のスキャンダルをまるで正義のヒーローのように暴き、議員除名。以後、黒い車を資金で誘導したと思われる一連の行動が、そのことを物語っている。この黒幕がだれであったにせよ、議員会派あるいは後援会組織が集団的に行ったのは容易に推測の及ぶ所である。黒い車の叫ぶ内容よりも、このこと自体の大人の責任はまず大きい。
 平戸市に大人はいないかもしれない。だから政治家もいないし、選挙も行われて来なかった。だれもが本当はそのように思っている。政治は業者の利益とつながっているし、今や平戸神話となっている票読みから買収へのゆるぎない秩序は、未成熟な市民をよくあらわしてもいよう。圧力と血縁。平戸の政治が未成熟のままの理由がそれである。
 市長選挙の最大の前哨戦とみられた商工会主催のマニフェスト討論会は、未成熟な子供が行った低俗なステージであったといわざるをえない。商工会がいつ、市民の上にたったのか? 政治はいつから知識オタクの遊び道具になったのか? 討論会以前の悲惨なステージが用意されていたのではなかったのか? 
 あたらしい時代どころか、退歩ではなかったのか。だれもが、県議会議員補欠選挙が行われることを自明のまま市長選、市議選に臨んだ。前回、市長選を戦った候補者が格下げして名乗りをあげているだけに、今回の市長選の鍵を握っていたと見られる。民主主義の根幹である選挙が、一部の権力者である人達だけが密かに描いたトーナメント表通りに事が進むのか、そうではないのか。力いっぱいの平戸も、疲れ果て、平戸維新もはるかに遠い。

編集部・・・投稿ありがとうございます。
 

[ 2009年10月25日 ]
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