アイコン 【倒産・解説】シーアンドシー・プロの倒産について

店舗内装業界では、大きくなった会社は数えるほどしかない。乃村・丹青の両雄にしても長年かけ今日の地位がある、しかし今丹青が苦しんでいる。大阪太融寺にいた船場もジャスコとともに大きくなったが、イオンから工事予算で一時外されたり、実の兄弟会社を救えなかったり、苦労の連続であった。展示会場に強かった京都のゼニヤはジークに称号を変え頑張っている。

大昌工芸、七彩など昔からの名もあるが、京都のヤマトマネキンは過去に潰れてしまった。少し外れて成功しているのがスペースであるが、ドコモショップなどの固い仕事を持ち成功している。大阪から東京に上ったアスクプランニングセンターは、元ジャスコの二木社長が経営する双樹がTOBをかけ上場を廃止した。アスクの社長はバブル時代儲かりすぎ、資金を不動産に投資、その後の崩壊で金融機関から会長に更迭された。その後外資に資金を投資させ、企画プランニング型の商業施設で成功したように見えたが、福岡ではゲイツ(福岡玉屋跡)は、06年オープンしたものの今だテナントがガラガラという悲惨な状態である。
 シーアンドー・プロも大阪から東京へ上り、08/1月期には44億円まで売上高を伸ばし、これからという時にリーマンショック、頼る顧客がショボミ、その影響で同社の売上高は09/1月期26億円まで急落。拡大期における急落は、それまで上海工場等の投資で大風呂敷を広げていたことから、完全に資金繰りが後追いになり、10/1月期も売上高は落ち込み続け、資金が持たなくなっていた。
 安東社長が言うような、店舗内装業界に属する以上一時的な革命はあっても永続的な革命はない。歴史や過去破綻した店舗内装業者に学び、越えることである。

本バブル期、マクドナルド・ダスキンドーナッツやケンタッキーフライドチキンなどが押し寄せてきた。それらの会社から受注に持ち込んだ内装業者は、当初はすこぶる好調に売上高を伸ばすが、これからという時に、同業者が出没して競争させられ、利益率が極端に悪くなり、何やっているかわからないようになる。丸井の子会社になったモンの歴史を辿れば分かる。
ましてやそうした大手ファーストフード店やファッションチェーン店・居酒屋チェーンでも同業ライバルとの競争のほか、大きな景気の波が必ず押し寄せる。景気が落ち込んだときに、如何に耐えられるかが店舗内装業者の宿命でもある。安東社長が薦める小ロットのシステム家具は、以前はアドテンポが全国の小売屋さんを対象に展開した。しかし、流通革命で小売店は斜陽し続け今は鳴かず飛ばずのようである。
安東社長は、不動産ミニバブルに乗じて短時間で上場から拡大まで果たしたラウンドワンのような全国展開するような会社をイメージしていたようでもあるが、ラウンドワンだって今では、既存店の全業態で昨年比マイナスになっている。専用建物に入居しており、入居コストも高く、不況を乗り越えることができるか問われる1年になっている。そうなれば、新規出店など影を潜める。景気産業に従事するならば景気を読むことである。
店舗内装業界に従事した者として、以前グループ入りしていたテンポスバスターズのような強い味方・アドバイザーが安東社長には必要であったと思われる。
 店は景気の最悪期に作れという教えがあった。最悪期を民事再生だろうと乗り越えられれば、考え方次第で飛躍もあろう。
 安東社長には、これを教訓に再度復活してもらいたいものである。
 ※参考、中国での合弁事業は必ず失敗する。日本人より中国人がシタタカであるため。
 
参照:テンポスバスターズの業績推移
連結/百万円
平成18年4月
平成19年4月
平成20年4月
平成21年4月
売上高
7,770
11,316
11,811
11,284
経常利益
520
422
662
614
当期純利益
303
188
293
41
純資産額
1,517
1,951
1,961
1,888
総資産額
2,680
4,892
5,015
4,660
自己資本比率
56.62
36.04
35.82
38.17
 
[ 2010年1月19日 ]
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