アイコン 【解説】茨城県住宅供給公社/自己破産

茨城県住宅供給公社(茨城県水戸市大町3-4-36、理事長:上月良祐(副知事))は9月28日、水戸地裁に破産申請した。 負債総額は約523億3697万円。
天下先として肥大化していった官製不動産会社である住宅供給公社は、全国で設立され、今も殆どが解散せず生き残っているものの何れも青息吐息である。民間不動産会社が目を覆うような杜撰な開発を公社は行い続け、今日に至ってきた。

公社理事長には官庁のお役人が天下り先として席を暖め、次々に退職後就任、法外な報酬を貰い、法外な退職金を稼いで、また他の天下り先に渡る。こうした杜撰な経営体質の公社が茨城県でも523億円という途方もない負債を抱えて破綻した。時代遅れの大義名分で開発を続け、これまでにどれほどの資金が県から投入されてきたのか空恐ろしい(直接貸付残268億円)。また開発において発注側として権力を牛耳り、殿様商売を行う様は中国のたかりの体質と何ら変わりはなかった。

バブル崩壊後、こうした公社は何れも実質経営破綻しており、民間の不動産会社同様に破綻させるべきであったが、僅かな地方公共団体しか破綻や清算を実行してきていないのが現状である。
茨城県住宅供給公社は、平成17年に債務超過になったとされるが、所有不動産の実勢評価からすれば、当の昔に債務超過になっていたことは誰でもわかっていたことである。総務省出身の上月氏が副知事になり、自らが理事長に就任して勇気を持って店仕舞いしたようだが、当然の成り行き。
茨城県では、発行した第三セクター債の額は、約380億77百万円にのぼり、15年をかけて償還する予定、利子を含めた償還額は約400億円になる。金融機関と国からの借入金の損失補填や回収不能となる県からの短期貸付金約268億円などの整理に充てられるという。
地方は国に対してお金を回せというが、回したら何に使うのか恐ろしい限りである。国の官僚も時代が変わろうとしている時に、未だかって紐付き予算を執行したり、後2世代変わらなければ日本の国政も行政も旧体質の温存を払拭するのは困難なのであろう。
 

[ 2010年9月29日 ]
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