アイコン 【倒産解説】シェ松尾について

松涛レストランCHEZ MATSUOの各店舗は、9月15日経営していた㈱シェ松尾から事業支援会社に営業権が譲渡され、現在でも各店舗の営業は継続されている。
事業譲渡した㈱シェ松尾と洋菓子部門を担当する㈱シェ松尾エンタープライズは、債務整理すると発表している。 

シェ松尾は、渋谷区松涛に高級フランチの松涛レストランを誕生させ、芸能人や著名人が足を運び有名となり、グルメ本などにも取り上げられ、これまでに店舗展開により事業を拡大してきた。
結婚式も挙げられる松涛レストラン、青山サロン、天王洲倶楽部のほか、渋谷東急本店のラ・ブラッスリーシェ松尾、世田谷区成城のグランファミューユ シェ松尾、同名古屋松坂屋店、広尾パティスリー・シェ松尾、サロン・ド・テ・シェ松尾柏高島店、同池袋東武店、キャフェ&ヴァン・シェ松尾千葉そごう店などの店舗を展開、2007年3月期には19億5000万円の売上高を計上した。
しかし、07年7月のサブプライムローン問題が不動産業界を直撃、不動産ファンド成金紳士が没落、リーマンショックによる急激な不況の進行などにより客数が減少、09年3月期には13億3000万円まで売上高は下落した。またクーポンの大量発行などにより客質もかなり落ちていたともいわれている。
同社の店舗は、高級フレンチレストラン特有のゴージャスな店作りをしており、それに伴う借入負担も大きく、また売上減少に伴う店舗展開による負担が重く圧し掛かり、支払遅延も一部発生、経営に行き詰まりを生じていた。
そうしたなか、9月15日店舗の経営権を事業支援会社に譲渡、㈱シェ松尾という会社は、㈱シェ松尾エンタープライズとともに整理することになった。
現在も「シェ松尾」の店舗は、事業支援会社により経営され、同社発祥の松涛レストラン(大正時代イギリス人建築家が建てたレストランを改装)も、別の支援会社をスポンサーにして運営されている。
同社は以上のように店舗は潰さない方法で債務整理をするとしているが、第三者に事業譲渡しており、既存のスポンサーや債権者が今回の事業譲渡に対して納得しなければ、同社に対して、第三者申立てによる法的整理=第三者破産申立てもありうる。
また事業譲渡を受けた企業も不採算店舗は、当然ながら縮小や閉鎖していくものと思われる。

[ 2010年9月24日 ]
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