アイコン ドバイの状況/三菱・大林・鹿島/大成

砂上の楼閣か、それとも近未来か
大手建設会社など日系企業が、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府や政府系企業に対して持っている工事代金など約150億ドルの債権のうち、約75億ドル(約6600億円)が未回収になっていると12月12日付で日本経済新聞報道。

地下鉄のドバイメトロでは当初の契約が36億ドルだったが、駅舎の設計を変更するなどしたことで総事業費は100億ドル以上に膨らみ、このうち43億ドルはドバイ側の交通総裁が追加工事費として認めない発言をしている。

ドバイの負債は、800億ドルとされているが、実際は1400億ドル~1700億ドルに達するとされ、アブダビがドバイに支援した資金も100億ドルではなく、50億ドルであった(破綻日に50億円ドバイの銀行の社債を購入しており、その分を算入していた)。
アブダビがドバイを救済するとして、日本企業には支払ってもらうしかない。アブダビは、ぼったくり原油の売却の蓄積で、政府系ファンドのSWF(ソブリン・ウエルス・ファンド)により40-50兆円も自己資金を運用させている。
気になるのは、アブダビそのものが、ドバイ化を進めていることである。韓国企業はとっくの昔にドバイを捨てアブダビに戦略を移行している。先読み出来ないまで麻痺している日本企業にも問題あろう。
 大成は人工島のパームジュメイラ内海底トンネルのプロジェクトもあり。

<ドバイいろいろ>
 162階建ブルジュ・バイ(一応完成) ドバイタワーズ(2010年竣工予定であった)

ドバイ・ワールドの投資
DPワールド(DP World): 世界最大の港湾運営会社で、ドバイ・ワールドのなかで最も収益性の高い事業部門といわれる。2007年のIPOは地域最大で、50億ドル近くを調達したが、現在の株価は元値の3分の2以上下落している。2008年前半の業績が非常に好調だっただけに、世界不況のあおりを受けた需要の激減による今年の低迷が目立ち、さらに今回のドバイショックで国際プロジェクト凍結の噂も流れている。DPワールドはドバイ・ワールドのリストラの対象外だと投資家に説明することに苦心しつつ、拡大計画の見直しなどプロジェクトの再検討を進めている。また、あるプライベートエクイティ会社に株式を売却する交渉を行っているともされる。
スタンダードチャータード(Standard Chartered): ドバイ・ワールドの投資部門イスティスマール(Istithmar)が2006年10月に株式の2.7%を約10億ドルで買収。
MGMミラージュ(MGM Mirage): ラスベガスのカジノ運営会社。ドバイ・ワールドは2007年にMGMの株式の一部と85億ドルのラスベガス・シティセンター(CityCenter)プロジェクトの半分を50億ドルで買収した。しかし昨年、プロジェクトの進捗が資金難により難航したため、ドバイ・ワールドはMGMを訴えた。
アトランティス・ドバイ(Atlantis Dubai): 2008年11月にパーム・ジュメイラ(Palm Jumeirah)にオープンした大型リゾートで、南アフリカの大物ソル・ケルツナー(Sol Kerzner)氏との合弁事業。オープン記念の5,000万ドルの花火を含む超豪華なパーティで話題になった。
バーニーズ(Barneys): イスティスマールが2007年に9億4,200万ドルで買収。今年8月より再生アドバイザリー会社ペレラ・ワインバーグ(Perella Weinberg)を雇って財務状況の改善に着手している。なお、ペレラ・ワインバーグもイスティスマールが2006年に1億ドルを投資した会社。
クイーンエリザベス2号(Queen Elizabeth 2): 2007年に1億ドルで買収し、パームに係留する高級ホテルになる予定だった。昨年に改修のためラーシド港(Port Rashid)に停泊して以来、その将来の雲行きは怪しい。今年7月にはアフリカの某所に移動させることを検討中とナキールが表明している。
シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque Du Soleil): モントリオールを本拠とする国際サーカスツアー会社で、2008年6月にナキールとイスティスマールが株式の20%を買収した。パームに専用劇場をつくる計画がある。
ターンベリー・ゴルフコース(Turnberry Golf Course): 英スコットランドの名門ゴルフコースで、全英オープンの会場として知られる。ドバイ・ワールドのレジャー&スポーツ投資部門レジャースコープ(Leisurecorp)が、2008年11月にスターウッド・ホテルズ&リゾート(Starwood Hotels & Resorts)から約1億ドルで買収した。
などなど。

[ 2010年1月28日 ]
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