アイコン ファーストリテイリング、バングラのGRAMEEN-BK と合弁会社設立

ユニクロユニクロのファーストリテイリングは、2010年9月に設立予定の子会社を通じてGRAMEEN Bankグループ、(バングラデシュ人民共和国)のGrameen Healthcare Trustとの合弁会社を設立に合意した。

1. 合弁会社設立の目的
 バングラデシュにおける社会的課題(貧困、衛生、教育など)を服の企画、生産、販売を通じて解決すること。
2. 合弁会社の概要
 会社名:GRAMEEN UNIQLO Ltd.(仮称)
 所在地:バングラデシュ人民共和国 ダッカ
 主たる事業:バングラデシュにおける衣料の生産管理及び販売事業
 資本金:10万USドル(約900万円)
 出資比率:UNIQLO Social Business Bangladesh Ltd. 99%、 Grameen Healthcare Trust 1
3. 合弁会社が目的
 バングラデシュは、繊維産業を中心した経済成長が見込まれている一方で、貧困・衛生・教育などの社会的課題が多く存在している。当社はこれまで培ってきたSPAとしてのノウハウを活かし、品質を保持しながらも貧困層に購入可能な価格設定で衣料を企画・生産・販売いたします。同時に雇用を生み出すことで、バングラデシュの人々の生活改善をサポートしたいと考えている。

GRAMEEN Bankグループの800万人におよぶ債務者のネットワークを用いて、貧困層の職業訓練に取り組み、対面による服の販売という新しい職業に就く機会を提供している。初年度は、250名の雇用創出を目指し、3年後には1,500名まで増やすことを目標とする。

コメント:バングラ進出はノーベル平和賞もの
グラミン銀行の起源は、チッタゴン大学教授であったムハマド・ユヌスが、貧困層対策のため考え出した貧困救済金融システム。銀行サービスの提供を、小口無担保低利融資という手法で農村部の貧困層に対して行ったことに始まる。それまでは金融機関が取り扱わないため高金利の資金を借り入れ、貧困から抜け出せなかった。今では全国に拡大している。世界銀行もバックアップし、その手法は全世界の貧困国に広がっている。
グラミン銀行の特徴は、銀行が貧しい借り手によって所有され、そのほとんどは女性、借り手が銀行の総資産の90%を所有し、残りの10%はバングラデシュ政府が所有している。
2009年5月現在、銀行の借り手は787万口を超え、銀行の営業所や取り扱う村の数も2009年5月現在、2003年の43,681村から、84,388村まで増え、2,556の支店に23,445人以上の従業員がいる。銀行は総額約4515億8000万タカ(約80億7000万ドル)を貸付、約4016億タカ(約71億6000万ドル)は返済されている。銀行は、1998年の95%の返済率から上昇し、97.86%になったとしている。2.14%不良債権率ならば、日本のスーパー銀行より、ずぅっーと良い。

ユニクロにしても、現在の生産国中国の労働市場は、賃金ストが蔓延しており、スト回避のためには否応なく賃金上昇は続く、大きなコスト上昇要因となる。そうしたことを回避するためにも、繊維産業が盛んで世界でも最貧国とされるバングラデシュに生産工場を作り、今後の展開上、品質管理や生産体制に問題ないか、実証実験するともいえる。旨くいけば10年後にはバングラデシュがユニクロにとって最大の生産基地になっているかもしれない。
そうしたことも踏まえ、柳井氏は、最貧国のバングラに生産工場を作ることで、バングラの貧困層に就業機会を提供するとともに、適切な服を提供することもでき、世界的な社会貢献ができるものである。(ノーベル平和賞ものかもしれない)
世界へ展開するユニクロの、社会的責任を果たす今回のバングラ進出である。

 

[ 2010年7月14日 ]
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