太平洋セメント②、国内生産体制の見直し
セメント業は構造不況業種である。しかし、バブル時期には最新鋭工場を乱立させ、生産能力を拡大させた、そのため実需の乖離が大きくなっている。そうした設備も減価償却は終わっているが、セメント生産の主要コストの一つである燃料費が、原油高で大きなコスト圧迫要因になっている。
平成14年くらいまでは1バーレル40ドル~50ドルで推移していたが、その後周知の通り150ドル近くまで高騰、リーマンショックで一時40ドルまで下がったものの、中国中国と生き残ったハゲタカが持て囃し世界的な不況下でも82ドルの高値で推移している。こうした価格が販売価格に転嫁できればよいが、昨年4月からの値上げでは、不況突入で建設現場が急減する中、値上げの浸透は難しかったのではと見られている。
構造改革 | 費用 | 改善効果額 |
①国内生産体制の見直し | 190億円 | 80億円 |
②組織人員体制の見直し | 140億円 | 40億円 |
③物流の合理化 | 25億円 | 20億円 |
④その他 - | - | 20億円 |
(単体)合 計 | 355億円 | 160億円 |
単体で構造改革費用として330億円、連結で340億円としている。
1、国内生産体制の見直しは、
① 土佐と佐伯の生産中止で生産能力2,305千tを削減、
② 秩父太平洋セメントも生産中止により800千t削減
③ 生産委託会社5社の委託見直しにより2,500千t削減
以上により全体で5,600千t削減する。
④ それにより発生する工場・設備の減損処理150億円、その他費用として40億円の計190億円を減損費用として計上する。こうしたリストラにより、改善効果は80億円を見込んでいる。
[ 2010年4月 1日 ]
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