アイコン 地方公共団体を貸付の麻薬漬にする地方銀行② 西日本シティ

官庁と金融機関の癒着は、公金の取り扱いから生じている。長い間の癒着構造は蓄積されており、福岡銀行・親和銀行/西日本シティ銀行でも窺い知ることができる。西日本シティ銀行は、西日本銀行も福岡シティ銀行も元々は相互銀行であり、地方公共団体の公金取り扱いは普通銀行に牛耳られてきた。その取引は官庁ゆえに動かず、既得権化している。 

長崎県では、その取り扱いを十八銀行と親和銀行にバランスよく扱わせている。元々は十八銀行の公金取扱の比重が高かったものの、金子県知事になって親和銀行の比重が高くなり今では半々。金子県知事の実兄が経営していた金子漁業グループ(大不良債権処理会社)のメイン銀行は親和銀行であった。当然その後ふくおかFG入りして、金子漁業グループに対する不良債権処理に当っては公金が大きく影響したとされている。
ふくおかFGと西日本シティとの国内融資残は、ふくおかFGが100に対して、西日本シティ銀行は60.7と、6割の規模(ふくおかFG⇒8兆06百億円、西日本シティ4兆90百万円)。
西日本シティ銀行が公金の取り扱いを行っている地方公共団体は、福岡銀行に比し、大幅に少なく、その関係で地方公共団体に対する融資も福岡銀行の4割以下となっている。
しかし、この2年間で129.3%も増加させており、地方公共団体に対して薬漬けにしている。

西日本シティ銀行
/百万円
07/3期
10/3期
10/3期/07/3期
国内融資残
4,522,766
4,901,093
378,327
製造業
298,370
325,975
27,605
農業、林業
 
1,539
-1,200
農業
2,577
 
 
林業
162
 
 
漁業
2,304
1,764
-540
鉱業、採石業、砂利採取業
4,587
4,676
89
建設業
267,285
267,843
558
電気、ガス、熱、水道
46,510
43,736
-2,774
情報通信業
22,123
35,880
13,757
運輸業、郵便業
133,756
134,994
1,238
卸売業、小売業
566,407
623,021
56,614
金融業、保険業
157,885
152,551
-5,334
不動産業、物品賃貸業
 
1,026,190
 
不動産業
893,265
912,117
18,852
その他各種サービス業
772,819
658,746
 
地方公共団体
126,744
289,659
162,915
その他
1,227,966
1,334,513
106,547
     不動産業比較は10年3月期には、07年3月期他サービス業に入っていた物品賃貸業(リース・レンタル)が入っており、その他各種サービスが07/3期と10/3期と変わらないと仮定した場合の数値を入れている。

同行の融資の特徴は、元々福岡シティ銀行がリテール事業に強く、小まめな動きをしている点にあろう。そのため不況業種とされる建設業や不動産業者向けでも07/3期と10/3期比較では減少していない。国内向融資残高もふくおかFGが、地方公共団体を除けば、同期間で融資残を3.4ポイント減らしているのに対し、同行は4.8%増加させている。 
福岡銀行グループと西日本シティ銀行の融資姿勢がまったく異なるものとなっている。
特にリテール分野である卸・小売業にいたっては、同期間ふくおかFGが▲1,093億円減(10.3%減)させているが、同行は逆に566億円増加(10.0%増)させている点が注目される。

[ 2010年8月31日 ]
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