アイコン 住生活/レオパレス21を実質救済か 資本業務提携 コメント付

住生活グループは、11月19日レオパレス21と資本・業務提携に関する基本合意書を締結した。
住生活グループおよび住生活リアルティ㈱は、レオパレス21と、両社の保有する経営資源を相互に活用することにより、それぞれの企業価値を高めることを目的に、業務提携を行い、これに併せて両社の関係強化のために、住生活グループの完全子会社である住生活リアルティは、レオパレス21が第三者割当の方法により新たに発行する株式を引受けることで合意、19日付で資本・業務提携基本合意書を締結した。

1. 資本・業務提携の背景と目的
住生活グループは、安全・安心で快適な住生活づくりのための各種建材、住宅設備機器や住生活関連サービスなどの提供を通じて、グループ全体で地球環境と調和した暮らしの実現を目指す。その中でグループ会社である住生活リアルティは、不動産売買・賃貸の仲介、不動産賃貸管理、不動産リプライニング、プロパティマネジメント、ビルマネジメント、社宅管理代行事業および不動産FC事業(ERA)等を行っている。
 一方、レオパレス21はコア事業である請負事業と賃貸事業の収益バランスを取った安定した企業体質への転換を図っており、その一環として、ストックビジネスである賃貸事業部門へ軸足を移した新たな事業構造の構築を図っている。現在、賃貸事業においては日本全国に57万戸におよぶ賃貸物件を管理しており、入居者の快適性の向上や、レオパレス・パートナーズ展開(全国の不動産会社とのフランチャイズ契約)等を通じて収益の安定化を図っている。
 住生活グループとレオパレス21はともに、ストックビジネス(賃貸事業・住宅リフォーム分野)への注力が今後の成長を実現するにあたり重要であると位置づけており、互いに賃貸アパート・マンション開発・管理・リフォームならびにレオパレス・パートナーズ展開において積極的に協力することにより、事業の拡大を実現し、両社の企業価値の向上を図ることができるものと判断した。

2. 業務提携の内容
住生活グループとレオパレス21は、ストックビジネス、商材、不動産斡旋ネットワークやノウハウ等の相互利用および協業を目的として、以下のような業務提携に取り組む。
(1)賃貸物件の斡旋における協力
住生活リアルティおよびERA加盟店は、レオパレス21と互いの賃貸物件紹介事業に
おいて協力することにより、より多様な住宅を紹介することを可能とし、新たな顧客の獲得を目指す。
(2)住宅資材の供給に関する協力
 住生活グループは、レオパレス21の管理する57万戸におよぶ賃貸物件に対して、住生活グループが持つリフォーム商材を活用し、より快適な住まいへのリフォームを提案する。
(3)新商品に関する設計・開発の協業
住生活グループは、今後レオパレス21の新築物件の建築に対して、住生活グループが持つ住環境・住生活に関する研究開発ノウハウを活用し、さらには資材の一括受注・販売等を通じて、より快適な住宅を建築することの協業を目指す。
(4)レオパレス21の顧客に提供する各種サービスにおける協業
 住生活グループは、レオパレス21のアパートオーナーや入居者等に提供する各種サービスについて既存サービスの運用および新規サービスの開発において協力する。

3.資本提携の内容
 住生活リアルティはレオパレス21が新たに発行する株式15,900,000株を引受け、増資後発行済株式総数の9.06%を取得する。
(1) 引受価額 1株につき116円
(2) 引受株式数 普通株式 15,900,000株 
(3) 発行価額の総額 1,844,400,000円
(4) 払込予定年月日 平成22年12月21日(火)
4.日程
(1) 資本・業務提携基本合意書の締結 平成22年11月19日
(2) 第三者割当による新株発行の払込および株式受渡期日 平成22年12月21日

<参考>住生活リアルティ株式会社 会社概要
 代表者:安藤進
所在地:東京都中央区日本橋大伝馬町14-15
 設 立:1993年9月
 資本金:1億60百万円
 売上高:23億55百万円(2010年3月期)
 従業員:101人
 営業品目:不動産賃貸管理、不動産リプライニング、プロパティマネジメント、ビルマネジメント、社宅管理代行、不動産売買・賃貸の仲介、ERA加盟店への支援業務、住宅履歴サービス

※株式会社住生活グループは、トステムやINAX、住生活リアルティ等を傘下に持つ純粋持株会社。

コメント:
住生活にしてみれば、膨大なレオパレスが建築して管理する物件が魅力であろう。しかし、同アパートは、パネル工法を駆使した建物となっており、その仕様(コストパフォーマンスの最大化=安価)は、今日のレオパレス21の経営不振を招いている一因でもあると思われる。
ところで、今回の提携劇において、これまでレオパレスを一手に建築してきたイビケン(イビデン子会社)はどうするのであろうか。もう儲からなくなったから潮時と見るか、それとも建材分野で住生活に食い込むチャンスと見るか、実際レオパレスの建築部材を造っている久留米市のサンワールドも今後の動きが心配であろう。今回の資本業務提携は、レオパレス21が大きく再成長するチャンスになることも考えられる。そうした場合、コストパフォーマンスに優れた建築部材を供給するサンワールドもその軌道に乗るものと思われる。

<レオパレス21の業績推移と今期予想>

連結/百万円
06/3期
07/3期
08/3期
09/3期
2010/3
11/3期予
売上高
465,386
631,608
672,973
733,235
620,376
504,000
経常損益
44,151
73,002
60,847
46,785
-33,831
-18,000
当期純損益
-16,582
37,358
342
9,951
-79,075
-16,300
純資産額
133,622
185,784
170,155
146,442
70,979
 
総資産額
412,803
454,819
493,956
467,300
396,511
 
自己資本率%
32.37
36.97
33.44
31.34
17.88
 
空室率の上昇により、借上物件の家賃保証額とのバランスが崩れた結果赤字に。
 

[ 2010年11月20日 ]
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