アイコン 沢井製薬/キョーリン製薬に対して猛アタック

ジェネリック(後発)医薬品大手の沢井製薬は2日、キョーリン製薬ホールディングスに対して経営統合を提案すると発表。2011年2月末までの合意を目指す。
沢井はキョーリンの発行済み株式総数の4.8%を取得、経営統合を打診していたが、前向きな回答を得られていない。

今回の提案についてキョーリンは同日、「具体的内容を真摯に検討のうえ、決定次第速やかに公表する」とリリースしている。
沢井は経営統合により売上高250億円、営業利益70億円の相乗効果が得られるとしている。
統合は持株会社を設立して、沢井とキョーリンを傘下に収める形態を予定。キョーリンが得意とするゼンソク薬など呼吸器、耳鼻科、泌尿器科領域に関する後発医薬品の販売拡大や新薬開発につなげたいとしているようだ。

10/3
売上高/百万円
時価総額/百万円
総株数/万株
株価
キョーリン
99,764
101,179
7,494
1,350
沢 井
50,069
110,595
1,577
7,010
      時価総額と株価は12月2日現在。

 
<キョーリンの主要株主>2010年3月31日在
氏名又は名称
所有株数/千
割合
 荻原 年
6,126
8.17
 荻原 弘子
5,141
6.86
 株式会社アプリコット
5,000
6.67
 荻原 淑子  
2,926
3.9
 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)
2,774
3.7
 株式会社マイカム
2,743
3.66
 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)
2,402
3.2
 櫻井 恵子
1,860
2.48
 荻原 豊
1,857
2.48
 荻原 万里子
1,760
2.35
32,592
43.49
      萩原一族の経営だが、安定株主に大きく欠ける。

 <ポイントはキョーリンの安定株主比率>

キョーリンは安定株主に欠け、沢井がキョーリンに対してTOB掛けたら、一般株主が寄ってくる可能性がある。そうしたことから、脅し透かし戦法で、キョーリンに揺さぶりを掛けているように見える。キョーリン一族だって揺さぶられたら、寝返る一族も在るかもしれない。

沢井は開発資金の要らないジェネリック薬品で儲け過ぎており、そうした薬剤は薬価基準を見直すべきでなかろうか。

<決着済みでは・・・>
キョーリン製薬ホールディングスは2010年11月10日、同提案を断っており、12月2日再度の沢井製薬のアプローチとなっている。
「本日の一部報道について」(2010年11月10日、キョーリンのリリース全文)
本日、一部報道機関より、当社に対し沢井製薬株式会社が経営統合の提案をしていたとの報道がございました。当社は、同社から経営統合の打診を受けましたが、その内容を当社の企業価値向上の観点から検討した結果、既に当該提案に賛同しかねる旨を回答しており、当該提案は失効したものと理解しております。
当社と致しましては、当社の企業価値向上の観点から、提携に関する様々な可能性について検討しておりますが、現段階において開示すべき事実はありません。
なお、今後開示事項が生じましたら、速やかに開示いたします。

以 上
 

[ 2010年12月 3日 ]
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