アイコン フィデック/ゼクスに82億円プレゼント(=焦げ付き)

同社は、ドン・キホーテがスポンサーになり、破綻の危機を免れたが、危機に瀕した調査委員会の報告を発表した。
最終的に、ゼクス関連工事の請負代金債権(債権残高合計85億2百万円)を総額3億円にて㈱シティインデックスセブンス売却せざるを得ない事態に至った。債権残高の元本部分だけでも合計82億2百万円が回収不能となった。
対象債権は、ゼクス関係の㈲ゼット・エル・エス、㈲南苑、㈲ロムルス・インベストメント、㈲ゼット・エス・オー及び㈲健商住宅開発の5社に対する請負工事代金が、不良債権化したことが主たる要因としている。

債権額  :85億02百万円(うち貸倒引当金計上額64億58百万円)
 譲渡価格 :3億円
譲渡実行日:2010年10月15日
 特損計上額:17億43百万円(今期計上)
 
同社のビジネスモデルは、同社が提携した取引先(ここではゼクス及び関係会社)の支払債務(支払手形部分)を買い取り、下請の支払先に対して現金で支払うという金利の鞘抜き商売。
当然、支払手形を買い取るものであり、債権の安全度は100%取り扱う提携先の与信に委ねられる。ところが、同社はゼクス関係先の債権を膨大に所有して、ゼクスの実質破綻により、膨大な不良債権を抱え込むに至った。

同社による引当金計上は、ゼクスが2008年8月に「継続企業の前提に関する注記」が付されたことに基因しているが、07年7月サブプライムローン問題から外資ファンドが大挙して逃げにかかっており、またそれ以前から金融機関は不動産関係への貸付を引き締めていた。
同社は、不動産開発会社であるゼクスとの関係を断ち切れず、命取りになってしまったものである。素人経営者の資質の問題であろう。
当然関係役員は代表も含め既に更迭されているが、ドン・キホーテの支援が本格化するなか、今調査報告書でケリをつけ、現在の役員も全員退任して刷新、ドン・キホーテ派遣の新しい代表により経営していくと発表している。

 同社は穴吹工務店では、金融機関が穴吹工務店の手形の再資金化を拒んだため、取引を中止したが、ゼクスの場合は、そのまま実行していたようである。
 ゼクスは、上場が廃止されたものの、まだ生きているが、同社は債権を売却したことから、結局はフィデックがゼクスに対して82億円プレゼントしたことになる。


 

[ 2011年1月13日 ]
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