ヤマダ電機 住宅業界へ参入 S×L買収へ
ヤマダ電機は12日、住宅メーカーのエス・バイ・エル(大阪市)を公開買付で買収すると発表した。S×Lはこれまで野村系の投資ファンドの「ユニファイド・パートナーズ」が資本参加して経営支援してきたが、その効果は限定的なものであり、ブランド力を生かし弾みを付けるためにも今回のヤマダ電機の買収は、利に適っているものと思われる。
ヤマダ電機は、これまで太陽光発電パネルや三菱自動車のEVカーなどの販売を手掛け、蓄電技術も含めたオール電化住宅の「スマートハウス」事業を加速させる。
今後ヤマダ電機は、店舗敷地にS×Lのモデルハウスを建て、これまで後退してきたS×Lの営業を積極化させていく方針。
今回のTOBに対して、S×Lや投資ファンドも賛同しており、市場での買付期間は8月15日から10月4日まで、1株当たりの買付価格は62円としている。
買収後もエス・バイ・エルの上場を維持するため、買付上限は8500万株、下限は6740万株。買収価格は52億円。同社の割当増資も引き受け、最大持株比率を59.1%までとしている。
S×Lは旧小掘住研、昔、ハウス55(550万円の家)という政府主導の住宅政策に乗り、安く高品位な住宅を開発して成長を遂げたが、その後は注目される住宅開発も限られた。また、社名まで変更して、大手住宅メーカーに埋没、後退を余儀なくされてきた。更に財務体質強化優先の野村證券系の経営支援により、売上高も落とした。前期は、戸建市場が5%伸びたにもかかわらず、同社は売上高を落とし、営業が尻すぼみになるだけであった。
同社の建物の高品質さは、神戸地震でも立証されている。これを機にS×Lは営業に奮起してもらいたいものである。
なお、タマホームは、家を建てるとヤマダ電機のポイントカードが貰えるサービスを提供、そのためヤマダ電機と業務提携していたが、今後どうするのだろうか?
山田さんは宮崎県出身、九州への思い入れも強く、筑後市出身のタマホームにもいっそのこと出資されたら如何だろうか?
S×L | ||||
連結/百万円 | 2009年3月期 | 2010年3月期 | 2011年3月期 | 2012年3月期予 |
売上高 | 53,625 | 44,859 | 39,555 | 41,000 |
営業利益 | 1,017 | 825 | 1,123 | 1,100 |
経常利益 | 525 | 362 | 820 | 900 |
当期利益 | 218 | 71 | 60 | 600 |
総資産 | 34,912 | 29,019 | 26,505 | |
自己資本 | 8,659 | 8,691 | 8,756 | |
資本金 | 7,968 | 7,968 | 7,968 | |
有利子負債 | 12,428 | 9,146 | 6,372 | |
自己資本率 | 24.80% | 29.90% | 33.00% |

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