アイコン コジマ 一枚岩でなかったビックカメラへの売却 家電量販店ランキング付

家電量販店のコジマは28日の取締役会で、創業家で代表取締役会長である小島章利氏が退任、相談役となる人事を内定した。来月28日の株主総会で正式決定する。
 オーナー家の小島会長は、家電量販店大手ビックカメラによるコジマの買収に反対していたことから事実上の解任。
 小島会長はコジマの創業者、故小島勝平氏の長男、社長を平成14年4月から平成22年2月まで務めていた。現在、同社の筆頭株主。

小島章利氏が社長に就任した時には、上州戦争をともに戦ったヤマダ電機とそんなに売上高は離れていなかった。しかし、その後はヤマダ電機との戦いに破れ、大型店での展開が一部足かせとなり業績低迷、国によるエコポイント導入や地デジ効果による家電量販店業界の業績回復でも、その回復は限定的なものに過ぎなかった。
エコポイント終了・地デジ終了で暗雲立ち込める業界にあり、同社はビックカメラに身売りすることを決定したが、小島氏は創業家としてのプライドに固執し、最期の反旗を翻していたようだ。

まったくベスト電器でも同じことが言えるが、こちらは創業家の北田体制・その後の有薗体制(故オーナーの娘婿)において、ヤマダ電機に対抗した無茶苦茶な出店が災いして危機を増幅させ、ヤマダ電機(山田オーナーは宮崎県出身)に買収されかかった。ベスト電器は、ビックカメラに助けを求め、現在は実質ビックカメラ傘下にある。

家電量販店業界は、売上高・財務内容からしてヤマダ電機が群を抜いているが、エコポイント制に乗じて伸びたケーズホールディングス、都心型巨艦店のヨドバシカメラぐらいが安泰であるものの、ほかは地デジ・エコポイント制度終了において苦戦しているのが実情である。
当業界は、まだまだ乱世の時代が続く。

コジマの業績推移
連結/百万円
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
売上高
438,255
449,499
370,380
営業利益
6,335
11,727
3,660
経常利益
6,103
11,690
4,200
当期利益
3,165
2,014
508
総資産
179,846
174,206
164,814
自己資本
49,683
51,233
51,381
資本金
18,916
18,916
18,916
有利子負債
77,280
73,371
68,578
自己資本率
27.6%
29.4%
31.2%
 
コジマ 小島章利代表取締役会長の略歴
 
昭和38年5月30日生
昭和62年3月
当社入社
平成元年4月
当社システム室長
平成2年6月
当社取締役システム室長
平成3年6月
当社取締役情報システム本部長
平成5年6月
当社取締役営業企画本部長
平成7年6月
当社常務取締役営業企画本部長
平成10年6月
当社専務取締役営業企画本部長
平成14年4月
当社代表取締役社長
平成14年12月
有限会社ケーケーワイ代表取締役(現)
平成14年12月
株式会社アピア(現株式会社コジマエージェンシー)代表取締役(現)
平成22年2月
当社代表取締役会長(現)
 
コジマの主要株主 平成23年9月30日現在
氏名又は名称
所有株数/千株
割合(%)
 
小島 章利
4,770
12.25
 
(有)ケーケーワイ 
2,030
5.21
 
小島 金平 
1,935
4.97
 
小島 三子 
1,932
4.96
小島一族分
小島 由三 
1,770
4.54
34.48%
寺﨑 佳子 
980
2.51
13,417
日本トラスティ・サービス信託(信託口)
1,316
3.38
 
足利銀行 
1,171
3.01
 
日本マスタートラスト信託(信託口)
1,105
2.83
 
ケーズホールディングス 
989
2.54
 
18,001
46.26
 
その他
20,911
 
 
総   計(議決権のある株式総数)
38,912
 
 
 
2012 家電量販店売上高ランキング
2012 家電量販店売上高ランキング
 
連結  /百万円
 決算期
売上高
前期比
営業利益
経常利益
当期利益
1
ヤマダ電機
12年3月期
1,835,454
-14.80%
88,979
102,225
58,235
2
ビックカメラG
単純合算
1,244,199
 
26,124
28,538
10,146
 
 ビックカメラ
11年8月期
612,114
 
19,929
22,329
9,049
 ベスト電器
12年2月期
261,705
-23.20%
2,535
2,009
589
 コジマ
12年3月期
370,380
-17.60%
3,660
4,200
508
3
エディオン
12年3月期
759,025
-15.80%
9,286
16,384
3,697
4
ケーズデンキH
12年3月期
726,015
-5.80%
34,086
42,123
23,754
5
ヨドバシカメラ
11年3月期
700,500
 
 
61,000
 
6
上新電機
12年3月期
410,174
-5.80%
12,239
12,111
6,245
7
ノジマ
12年3月期
211,051
-1.10%
743
3,262
2,119
 
・ ヨドバシカメラは、決算詳細については非上場で非開示。同社の12/3期の売上高は、京都店が開業後の約半年分の売上高が加算され、全体的な売上高減少が減算される。
・ ビックカメラの連結決算には、ベスト電器の持分分の売上高等が入っている。
・ ビックカメラの128期の連結売上高予想は、5,300億円となっており、前期に比し▲13.5%減少する予想である。
・ ベスト電器の売上高の減少数値は、戦後処理で不採算店舗を大幅に閉店させている影響も含んでいる。

[ 2012年5月29日 ]
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