アイコン オール電化の罠 深夜電力は高コスト

格安の深夜電力を謳いオール電化を推進してきた国と電力業界。原発が止まった今、電力業界は格安是正の動きに転じている。

ガスによる火災事故をオール電化の謳い文句に、ガス器具が過熱超過の自動停止装置に改良を見たものの、電力業界は補助金まで出してオール電化を推進してきた。
ところが、福島原発水素爆発で一転、24時間稼動状態の原発が止まり、深夜電力コストが高くなってしまった。

関西電力に至っては、先般まで営業シフトしていたことから問題ともなった。

電力会社に問い合わせたところ、火力発電所の場合、ボイラー形式により、使用電力量にあわせて約半分まで下げられるものもあれば、7割以上下げられるものもあるという。

今では、殆どの電力会社が、重油にしろ、天然ガスにしろ火力発電に依存している。電力会社にとって、深夜はできるだけ電力を使用しない方が、高い燃料を消費せずにすむことになる。

深夜電力の格安料金は、原発の稼動が条件で設定されているのだ。
そのため、今回示された東京電力の値上げの時間帯別料金プランが、夜間の値上げ率約24.8%(値上げ後の料金は一キロワット時当たり12.13円)、ピーク時の値上げ率約18.0%(同53.29円)、昼間は約9.5%(29.66円)となり、深夜料金の値上げ率が一番高くなっている。

電力業界と国は、「深夜電力料金は安い」として、オール電化住宅を急伸長させてきたものの、原発が止まった今、逆に深夜電力の発電コストが高くなる現象が生じてしまった。
もっといえば、電力を食う給湯器のボイラーの過熱に利用する深夜電力を使用しなければ、昼間の値上げ率を抑えられるということにもなる。
 
深夜料金が安いことからオール電化を導入した住宅にとって、怒るのも当然であろう。

深夜電力は格安だというビジネスモデルそのものが既に破綻している。
 

[ 2012年6月11日 ]
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