アイコン 京大元教授辻本豪三(59)容疑者を収賄容疑で(株)メド城取社長とともに逮捕/東京地検

 東京地検特捜部は31日、京都大大学院薬学研究科の元教授の辻本豪三容疑者(59)を物品発注をめぐり便宜を図った見返りに、飲食代など約620万円の賄賂を受け取った疑いが強まったとして、収賄容疑で逮捕した。
また、贈賄容疑で医療・理化学機器卸会社(株)メド城取(東京都世田谷区、民事再生手続中)社長の木口啓司容疑者(62)及び同社の元営業部部長上田真司容疑者(53)も逮捕した。

 

 辻本容疑者は、実際には物品を納入していないのに納入したように装った書類を作成させ、支払った研究費を同社に管理させる「預け金」をしていたが、特捜部は預け金とは別の資金が同容疑者に提供されており、賄賂に当たると判断した。 逮捕容疑は、辻本容疑者は、物品受注への便宜に対する謝礼として、2007~11年、木口容疑者から受け取った(株)メド城取名義のクレジットカードを使い、飲食代など約476万円を肩代わりさせた疑い。
また、09~11年には、辻本容疑者と家族の3回分の海外旅行代金として、約146万円を肩代わりさせた疑いが持たれている。

<東京特捜の最終目標は巨額資金>
東京特捜が最終的に狙っているのは、(株)メド城取が民事再生の適用申請における提出書類において、債権者として上げた国立成育医療研究センター(東京都世田谷区大蔵2-10-1)の3億79百万円である。

国立病院の国立成育医療研究センターの責任者は、(株)メド城取に対して、一切そうした債権は有していないと断言しており、何で国立成育医療研究センターの名称が使用されたのか、その資金は何なのか大きな疑問となっている。

一応、民事再生法の適用申請における提出書類は、書記官が民事再生法の適用を判断する材料に使用されることから、公文書に当たり、虚偽があってならないものである。

辻本容疑者は、京都大学に教授として2002年招聘されるまで、国立成育医療研究センターの部長を務めていた。その時、国立成育医療研究センターと(株)メド城取は取引があった。
また、2002年辻本容疑者が京都大学の教授として赴任すると、(株)メド城取もまた京都に京都オフィスを構え、辻本容疑者に対応していた。


<公的研究費の不適切な経理に関する調査結果について(文科省)平成24年3月2日>
文科省は、学校や研究者の不正の温床と目される取引業者への預け金やプール金を全国
一斉に調査した。
所管の1,179機関(独立行政法人22機関含)を対象(国立研究所・国立大学・高専は全校、私学(大学・短大)については研究補助金が国から出ている研究及び機関)にして、経理の不適正処理についての調査、しかし、自己申告に基づくものであった。

その結果、21機関(うち私学15機関)が相手取引業者へ預け金をしており、その合計は72,635,167円に達していた。ただ、業者でのプール金は0であった。
また、当報告に当たって「不適切な経理『有』」と報告のあった機関で、調査が未了の事案のある16機関については、東京大学も含みまだ公表されていない。
但し、京都大学は「預け金」も「プール金」もないと報告していた。

 こうした国からの補助金や拠出金に対して、大学や研究機関であっても不正使用は許さないとした国の姿勢に基づいた東京特捜の動きでもある。

 辻本豪三元京大教授は、認めるものは早く認め、罰は罰として受け、早期に現場に復帰して、研究に専念してもらいたいものだ。
 
官庁の1年会計の原則が、長期にわたる研究などでは、イロイロな弊害も生じ、それがまた不正(預け金やプール資金)へ発展しているともいえる。

記者は、以前、官庁関係に務めていたが、年度予算を使い切ってこそ、翌年にも予算が取れることから、年度末に予算が余る場合(いつも余る)、上司命令で3月に空出張していたことを思い出す。
企業の金には汗が付いているが、官庁の金の原資は、不特定多数の税金であり、有難味は全く感じないものであった。
 

[ 2012年8月 1日 ]
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