Dayton社は創立１９４６年、AD Components 事業は創業１９２２年と長い歴史を持つ、欧米市場における金型部品製造のリーディングメーカーです。部品標準化と半製品を活用した生産方式により、ミスミと極めて親和性の高い短納期生産を実践し、高い技術力と顧客サービス体制、欧米における強力な顧客基盤を持っている。

ミスミグループは、精密機械部品を標準化することによって、たとえ部品一個からでも「高品質（Quality）、低コスト（Cost）、短納期（Time）」で「短納期一個流し」のミスミＱＣＴモデルを日本において確立してきた。０２年の新体制以降本格的な海外展開を図り、０４年には駿河精機を買収しメーカー機能を持つことで国際展開を加速してきた。この結果、過去１０年間で海外売上高は約８倍に拡大し、海外売上高比率は８．６％から２７．５％へと伸張することができた。

今回の買収の最大の狙いは、このミスミＱＣＴモデルの世界展開を加速することにある。当社は既に、日本と中国・アジアを中心にミスミＱＣＴモデルを確立し短納期供給体制を構築してきたが、欧米にて短納期生産を実現するDayton 社とAD Components 事業を買収することによりグローバル短納期供給体制を一気に確立し、国際事業展開を加速させることが可能と考える。
加えてDayton 社とAD Components 事業は金型部品メーカーとして北米自動車ビッグ３や欧州自動車メーカーなどの強力な顧客基盤を持っており、この基盤に対して金型事業のみならず自動化（ＦＡ）事業を合わせたミスミブランドを浸透させることで販売拡大を狙っている。

また、金型部品事業において日本を含めたアジアで大きな市場シェアを持つミスミグループが、欧米において既に高い市場シェアを持つDayton 社とAD Components 事業を買収することにより、金型部品における「グローバル・トップワン・サプライヤー」のポジションは確固たるものとなる。さらに、取扱商品の規格で補完関係にある商品を双方のチャネルで販売する効果や、材料調達や生産量のスケールメリットによるコスト競争力強化など、様々な面でのシナジー効果を発揮することが可能。
今後も、ミスミグループは「世界の製造業の裏方」として世界一のプレーヤーを目指してミスミＱＣＴモデルをグローバル展開し、各市場においてローカル競合に勝つコスト・納期競争力を実現していくとしている。

本件買収の対象会社・事業および所有者の概要

◇ Dayton 社の概要（買収対象）
名称 Dayton Progress Corporation
代表者の役職・氏名 Alan Shaffer（Chairman, President & CEO）
所在地 米国 オハイオ州
主要拠点－営業拠点 米国、メキシコ、ポルトガル、ドイツ、イギリス、フランス、チェコ、日本
－製造拠点 米国、カナダ、メキシコ、ポルトガル、チェコ、日本
設立年月 1946 年
資本金* 31 百万ドル（1 ドル78 円換算で約24 億円）
総資産* 79 百万ドル（同 約62 億円）
売上高（2011 年度）* 134 百万ドル （同 約105 億円）
従業員数* 約1,000 名
事業内容 金型部品製造販売
当社との関係 当社と当該会社との間には、特筆すべき資本・人的・取引関係はありません。
議決権所有割合 異動前：0％、異動後：100％
※Dayton Progress Corporation グループ全体

◇ AD Components 事業（The Anchor Danly Company のComponents 事業）の概要（買収対象）
所在地 米国 ミシガン州
主要拠点－営業拠点 米国、中国
－製造拠点 米国、中国
設立年月 1922 年
総資産 30 百万ドル（1 ドル78 円換算で約23 億円）
売上高（2011 年度） 52 百万ドル （同 約41 億円）
従業員数 約300 名
事業内容 金型部品製造販売
当社との関係 当社と当該会社との間には、特筆すべき資本・人的・取引関係はありません。
議決権所有割合 異動前：0％、異動後：100％

◇ Connell 社の概要（買収対象の所有者）
名称 Connell Limited Partnership of Boston
代表者の役職・氏名 Francis A. Doyle (CEO）
所在地 米国マサチューセッツ州
設立年 1985 年
事業内容 プライベート・エクイティ・ファンド運営業務
当社との関係 当社と当該会社との間には、特筆すべき資本・人的・取引関係はありません。

スケジュール
・ 取締役会決議日 ： 2012 年10 月17 日
・ 契約締結日 ： 2012 年10 月17 日
・ クロージング日 ： 2012 年10 月～12 月（予定）

業績に与える影響
予定通り買収が完了した場合、2013年3月期第3 四半期（10-12 月期）をメドに両社を子会社化する予定。本件による2013年3月期の連結業績予想に対する影響は軽微であり、現時点で業績予想の変更はない。