アイコン ウットラム/日本ペイント買収へ 寝首をかかれそう

関ぺと双璧の自動車、汎用、工業用など総合塗料メーカー大手「日本ペイント」。
シンガポールの塗料大手ウットラムグループは21日、日本ペイントに対し、事実上の買収を提案したと発表した。

ウットラム社は、日本ペイントの技術力を生かし、欧米勢に対抗できる世界的な塗料メーカーとなることが買収の狙い。

ウッ トラム社側は、子会社のニプシー・インターナショナルが、株式公開買い付け(TOB)を行う予定としているが、現在、既に関連会社FIRST INDUSTRIES CORP.(ウットラムオーナーの資産運用会社)で日本ペイント株の14.51%を保有しており、表明の通り新たに日本ペイントの議決権株約30・33% を取得すれば、約45%を所有し、事実上の親会社になる。

日ペの株価は809円(1月21日)、発行株式総数は265,402,443株、現在株価による30.33%の価格は約651億円、TOBにはプレミアム価格が付くことから、買収資金は700億円~800億円近くにのぼる。

 日本ペイントの中国市場含むアジア市場での売上高は、前3月期323億円(14.5%)程度。

 今回のウットラム社の許容範囲を超えたTOB提案は、日本ペイントにとって寝首をかかれる思いかもしれない。

というのは、ウットラムは、日本ペイントのアジア戦略のパートナー企業であり、これまで、いくつも合弁企業を設立して共同してアジアで活動しているほどだ。

こうしたパートナー企業からの買収提案に、日本ペインは驚木・桃の木・山椒の木だろう。

こうしたパートナー企業のウットラム社側の一方的な買収提案は、何か胡散臭いにおいもする。シンガポールは華僑の国、ウットラム社は、子会社で買収して、ほとぼり冷めたら、日本ペイント株を中国企業に売却?する可能性もあり、またウットラムそのものを中国企業へ売却することだってありうる。

次の通りの合弁企業が両社で設立されている(比率は日本ペイント分)。NIPSEA CHEMICAL CO., LTD(韓国、51%連結、製造販売)、NIPSEA CHEMICAL(SHANGHAI)CO.,LTD(中国、51%連結、製造販売)、NIPSEA MANAGEMENT COMPANY PTE.,LTD(シンガポール、持分法50%、アジア統括)、NIPSEA TECHNOLOGIES PTE.,LTD.(シンガポール、持株法50%、研究開発)となっている。

 日本ペイントは1月21日午後6時30分、次の通りリリースした。

当社は、平成25年1月21日16時、ニプシー・インターナショナル・リミテッドから、当社株式の大規模買付行為に関する提案書と大規模買付ルールに関する遵守表明書を受領いたしました。受領した内容に関し現在確認・検討中であり、当社の対応につきましては追って速やかに開示いたします。 以上。

今後、ウットラム社が強行にTOBを仕掛けてきたら、日本ペイントが「敵対的買収」と判断して防衛策を発動する可能性もあり、目が離せなくなっている。

日本ペイントの主要株主状況 平成24年9月30日現在

株主

株数/千株

比率

FIRST INDUSTRIES CORP.(ウットラム系)

38,516

14.51

BARCLAYS CAPITAL SECURITIES

13,083

4.93

日本生命保険相互会社

11,386

4.29

住友生命保険相互会社

10,750

4.05

株式会社三井住友銀行

9,999

3.77

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

8,463

3.19

日本トラスティ・サービス

7,564

2.85

株式会社三菱東京UFJ銀行

7,133

2.69

三井住友信託銀行株式会社

7,053

2.66

ビー・エヌ・ピー・パリバ アービトラージ エス・エヌ・シー

5,460

2.06

119,408

44.99

 

日本ペイント業績推移

連結/百万円

2010年3月期

2011年3月期

2012年3月期

売上高

216,547

227,378

222,256

営業利益

9,879

15,975

16,323

経常利益

12,833

20,193

20,187

当期利益

8,729

14,350

12,312

総資産

269,888

265,905

274,105

自己資本

120,358

127,448

136,183

資本金

27,712

27,712

27,712

有利子負債

54,858

45,613

36,220

自己資本率

44.60%

47.90%

49.70%

 

[ 2013年1月22日 ]
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