アイコン トライアル/韓国の流通市場は伝統市場保護行政で大型店進出は無理 

韓国のスーパーマーケットや大型商業施設は、流通産業発展法により売場面積 3,000平方メートル以上の店舗と売場面積3,000平方メートル以上の店舗が直接運営する3000平方メートル未満の店舗は伝統市場から1キロメート ル以内には出店できないことになっている。24時間営業も不可能。また、各自治体条例により毎月1~2日休業や深夜休業をしなければならないことになって いる。

ところが、流通産業発展法の規制から外れている日系スーパーマーケットに対する伝統市場商人の反発が強まっているという。
全国1517の伝統市場(以前からの商店街)を代表する全国商人連合会は21日、来月までに日系企業型スーパーマーケットに対する実態調査を終えた後、政府に本格的な対策を要求することにしたと明らかにした。

最近、釜山・慶尚南道地域を中心に日系スーパーの開店が相次いでいることを受けたもの。

現在韓国に進出している日系流通企業はトライアルが代表例。福岡に本社を置くトライアルカンパニーは2004年にトライアルコリアを設立して韓国市場に本格進出した。 
2005年に1号店となるトライアルマート咸安店をオープンし慶尚南道と全羅南道地域を中心に店舗網を拡大してきた。現在慶尚南道、全羅南道、慶尚北道地域で7店のトライアルマートと4店のトラボックスの計11店を運営している。

330平方メートル以上ならトライアルマート、以下ならばトラボックスと名分けしている。トライアルマートは24時間年中無休。トライアルの全体の売上高は平成24年3月期131店舗で2,529億円を計上している。

また、岐阜県多治見市に本部を有する(株)バローも、平成24年3月期492店舗で4,105億円の連結売上高を計上しているが、昨年、韓国進出を宣言。今年5月には慶尚南道金海市と釜山市江西区にバローマート店をオープンさせ、2017年までに韓国で20ヶ所展開する計画を有している。

現在これらの日系スーパーは、韓国の大型マートとは違い流通産業発展法の規制対象ではない。中小店舗に分類されており、伝統市場のすぐそばに店舗を開くこともでき、24時間営業も可能。
そうしたことから、全国商人連合会のシン・グンソク大型マート・SSM非常対策委員長は、「慶尚南道、全羅南道地域を中心に日系大型マートの進出が活発で、地域商人の被害が発生する恐れがある。
来月までに全国16の連合会非常対策委員会を通じて自治体別店舗数と規模、入店品目を把握して国内中小商人の被害などに対する調査を始めるとしている。
韓国の大型マートとの公平性のため、日系スーパーにも同じ基準の法適用を政府に要請する予定だ」という。
これに対しトライアルコリア関係者は「まだ具体的な内容を把握しておらず、立場を明らかにする状況ではない」としながらも、「国内法に抵触する営業活動はしていない」としている。

大型商業施設の場合は、郊外であっても有力テナントを入居させたりして集客力を持ち得るが、ただ、各地方自治体単位で月1~2日の休業日の条例を設けている。当条例は韓国の大手流通業者も法令違反として裁判を起こしている大手業者もある。
トライアルなどが無理をすれば、店舗が反日の対象となることも予想され、日本とは全く異なる行政に従うしかないだろう。

アメリカの流通業者のウォルマートなどが韓国に新たに大型店を進出させれば、FTA協定により韓国の流通行政による休日設定などは廃止せざるを得ないと思われるが・・・。 
ウォルマートは、逆にこうした厳しくなるばかりの行政に2006年、16店舗を地元スーパーに売却して韓国から撤退している。

アメリカも州によっては、市街地から・キロ以上離れて店舗開設するなどの制約があるが、日本は逆に議員などが開発に絡み誘致し、田舎の商店街やアーケード街は殆どシャッター通りに化かしてしまった。今ではそうした歯抜けになった商店街の若者が町お越しに一所懸命になっている。

佐世保市は、曰く付きの県会議員がイオンの大型店を市郊外に誘致しようと不動産手配から何でもかんでもしていたが、佐世保駅前商店街が衰退するとして商店街が猛反対、議会も反対、市長が進出反対を表明して、イオンは進出を断念した経緯がある。こうした事例は日本では佐世保市くらいであろう。そのため、佐世保駅前のアーケードの商店街は今でも人通りは多い。しかし、若い人たちは長崎市や福岡市へ買い物へ行く人たちが多い。

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トライアルカンパニーの売上高推移
 

[ 2012年10月23日 ]
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