入札不調/仙台市で昨年47%が応札者0 ゼネコン大手の赤字の恐怖
東日本大震災地の公共工事の入札がおかしくなっている。応札業者がゼロ、あるいは発注者の決めた予定価格(上限価格)を下回る価格の応札がなく落札業者が決まらない事態に追い込まれている。
原因は職人・資材不足に伴って工事価格が上昇する一方、官庁の発注予定価格が低く抑えられ、建設業者が利益を見込めず、応札を見送っているものだ。
既に東日本大震災の被災地では相次いでおり、2012年4~9月に仙台市発注の土木工事では47%、宮城県は33%、岩手県は8%で落札業者が決まらず、福島県も12年4~8月に20%が落札に至らなかった。
現在、上場ゼネコンの第3四半期の決算が発表されつつあるが、殆どのゼネコンが、下方修正し、中には黒字予想が一転して赤字になっているゼネコンも多い。
こうした現象は、東日本大震災の復興工事による職人不足により、既に全国へ労務費の高騰が広がっており、特に建築工事に現れている。
国交省が発表している職人動向や資材の価格動向などは、願わくばの資料に過ぎず、全く現実を反映していないものとなっている。
このままでは、上場企業も仕事をするだけ、赤字となり、よほど予算がある現場しかできなくなっている。特に建築工事は民間工事が主体であり、職人・資材不足は、ゼネコンの業績を悪化させるおそれが高くなってきている。更にこうした影響から工期が遅れれば、違約金問題なども発生し、追い銭を支払うことにもなる。
東日本大震災時、仮設用構造材のベニアや断熱材が市場から一斉に消えた現象と同じように思えてくる。しかし、これまでゼネコンが、外注労務費を叩くだけタタキ、職人を育ててこなかったことにより、職人も大幅に減少しているのも事実である。ゼネコンは職人さんによるしっぺ返しを被っているのかもしれない。職人さんも需要と供給のバランス下にあり、今は職人さん天国の様相となっている。
入札不調0入札率 労務費と資材高騰
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東北
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2011年度
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2012年度
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備考
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仙台市
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32.0%
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30.2%
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2012年4~9月土木47.0%
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石巻市
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19.3%
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49.5%
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塩竃市
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18.0%
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19.1%
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気仙沼市
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34.3%
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24.2%
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名取市
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25.8%
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27.1%
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多賀城市
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8.8%
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17.5%
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岩沼市
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12.3%
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10.9%
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東松島市
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7.6%
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3.8%
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宮城県(1)
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28.0%
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43.0%
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1000万円から1億円の案件
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宮城県(2)
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10.0%
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20.0%
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1億円以上
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宮城県(3)
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33.0%
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2012年4~9月
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福島県
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7.6%
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20.0%
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2012年4~8月
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岩手県
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7.6%
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8.0%
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2012年4~9月
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・宮城県では3億円以上の案件は全部落札されている。
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