アイコン どうした戸田建設/第3四半期 大赤字 大丈夫か

準大手の病院、学校に強い建築の名門企業。三菱系顧客多い。不動産事業の拡大を志向。前期の事業別売上高は建築76%、土木22%、不動産2%となっている。建築主体のゼネコンである。

<病院建築に強いのが仇に>
同社は、週刊誌に取り上げられるほどここ2・3年得意の病院を取り巻くっていたが、東日本大震災復興工事の職人不足に直面し、その工事で大赤字を出しているのだろうか? 社長自ら病院受注の陣頭指揮を執ったとされ、現場の営業は、受注が至上命令となり、利益度外視の受注に走った可能性もある。
 
<選別受注強化か>
また、今期は、得意の建築工事の受注が極端に減少している。前期の赤字、今期も赤字と非常事態に至り、採算重視に方針転換して選別受注を強めた結果とも見られる。
 受注高が▲27.9%減、受注残が▲26.5%減とそれぞれ前年同期比落ち込んでいる。
 
<営業利益赤字の理由>
 同社は第3四半期について、営業利益は、主要事業である建設事業において、労務の逼迫等によりコストを巡る環境が一層厳しさを増し、手持工事の採算が悪化したことにより、売上総利益率(粗利率)が▲4.3%となり、売上総損失は▲146億円(前年同四半期は178億円の売上総利益)となった。 
一方、販売費及び一般管理費は、165億円と前年同四半期比▲0.7%減少したものの、▲312億円の営業損失(前年同四半期は11億円の営業利益)となったとしている。
連結有利子負債は、785億71百万円(3月末、575億02百万円)となっており、今期は新たにCPにより200億円を調達している(上記負債に含まれている)。
 
今後も赤字が続けば、更に純資産が減少し、金融機関の取り巻く環境しだいでは貸出コミットメント契約の財務制限条項にも抵触する可能性も出てくる。
なお、こうした赤字予想会社は、労務の逼迫等によりコストが上昇としているが、鹿島建設には一切そうした記述は見当たらない。違いでもあるのであろうか?
 
<第3四半期、粗利から大赤字の建築事業>
単体/百万円
売上高
粗利益
建 築
256,648
-21,089
土 木
52,528
2,751
不動産
5,996
1,928
合 計
315,172
-16,410
 
2013年3月期第3四半期における受注状況と受注残高
単 体
平成24年3月期第3四半期
平成25年3月期第3四半期
 
 
 
受注高/百万円
受注高/百万円
増減率
土木
官庁工事
32,417
41,574
28.2
民間工事
14,798
9,897
-33.1
合計
47,215
51,471
9.0%
建築
官庁工事
31,692
26,194
-17.3
民間工事
225,119
141,478
-37.2
合計
256,811
167,672
-34.7%
官・民(海別)
官庁工事計
64,109
67,768
5.7%
民間工事計
239,917
151,375
-36.9%
国内第3四半期受注計
304,026
219,143
-27.9%
海外土木
320
0
 
海外建築
1,292
3
 
海外第3四半期受注計
1,612
3
-99.8%
不動産開発事業等
6,456
5,996
-7.1
その他
0
0
 
第3四半期受注総合計
312,094
225,142
-27.9%
2013年3月第3四半期(12月)受注繰越高
受注残高
土木
149,678
124,457
-16.9%
建築
491,889
348,976
-29.1%
海外
3,579
791
-77.9
不動産開発事業等
0
0
 
受注残高合計
645,146
474,224
-26.5%
 
 
業績推移と今期予想 
連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
12年3月期第3四半期
297,662
1,149
2,441
-5,380
13年3月期第3四半期
339,695
-31,274
-29,835
-49,357
前期第3四半期比
114.1%
 
 
 
13年3月期予想
500,700
-43,000
-41,600
-63,000
12年3月期実績
489,385
-7,994
-6,690
-19,872
11年3月期実績
452,499
5,766
7,265
3,567
10年3月期実績
475,653
6,144
7,460
2,906
通期予想/前期実績比
102.3%
 
 
 
13年3月期第3四半期
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
465,158
129,066
124,739
26.8%
 
[ 2013年2月14日 ]
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