アイコン 新たに3人 マダニ媒介の重症熱性血小板減少症候群ウイルス 佐賀・長崎で

野山にいくらでもいるマダニを媒介として感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスによる被害が相次いでいる問題で、厚生労働省は12日、新たに佐賀県や長崎県などの男女3人がSFTSで一時、重篤な状態に陥っていたと発表した。
いずれも現在は回復している。国内で感染が確認されたのは8件(うち死亡5件)となった。
 同省や佐賀、長崎両県などによると、新たに感染が確認されたのは、佐賀県の80歳代男性と長崎県の50歳代男性、高知県の80歳代女性の3人。

佐賀県の男性は2010年8月、長崎県の男性は05年11月、高知県の女性は12年4月、それぞれ38度以上の熱や血小板の減少などの症状が出た。

佐賀県の80代の男性は、持病の治療で入院した2日後に発症。翌日、右脚の付け根付近にかみついているマダニが見つかったという。
一時的に意識障害に陥ったが、回復して退院している。長崎県の50代男性は発症直前に山に入り、脇腹や尻にダニにかまれたような痕が見つかったという。

<重症熱性血小板減少症候群ウイルス>
2006年11月に安徽省で発見され、中国河南省南部信陽市商城県を流行の中心とした感染症。中国では今では全土に広がっているが、都市部では殆ど症例はなく、丘陵地帯で多発している。
「発熱を伴う血小板減少という特別な病状を示したアナプラズマ症例」が特徴であるが、「ヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA)」の証拠を見つけられない場合もあるという。
症状は、ほとんどは突発性であり、全身のだるさや吐き気などの症状を伴う。その後高熱、喀血、嘔吐、下痢、髄膜炎などの症状を示す一方、血小板、白血球などが急減する。重い場合では大便が黒くなり、歯茎出血などの症状もあり、多臓器不全を示す。

日本では昨年秋、山口県で患者が見つかり、別の死亡例も見つかった。その後愛媛、宮崎、広島、長崎で5人の死亡例が見つかっている。中国への渡航暦もないことから、日本にも以前から存在していたと推測されている。死亡率10~15%とされる「韓国出血熱」(KHF)も同ウイルスと見られている。

<予防>
 まだ、日本で適用された症例が昨秋であり、マダニに刺されないように丘陵地帯では手袋やズボンにするなどしか予防対策は見えていない。
 

[ 2013年3月12日 ]
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