アイコン 第一交通産業の株価研究/不動産株の出遅れ株か 悲しいかな福証単独

第一交通同社は全国でタクシー事業を展開、田原総一郎のサンデープロジェクトの広告スポンサーであったことでも知られる。同社の昨年期の事業売上構成は、タクシー61、バス8、不動産分譲21、不動産賃貸3、金融4、他2であった。
福岡は、一昨年リーマン・ショックの反動から分譲マンションが増加、そのまた反動で昨年は減じた一年であった。本年はそのまた反動から増加の年になることが、消費税増税も控え確実視されている。

同社は、北九州を本拠に福岡市を中心に九州一円で分譲マンションを展開している。
数多くあった販売力が強固な福岡市のデベロッパーも、本バブル崩壊とリーマン・ショックにより、鉄道系(MJRとサンリャン)を除き、殆ど整理淘汰されたか、金融機関の締め付けからその勢いを完全に失している。
そうした中、比較的財務内容が安定している北九州出身のデベロッパー勢が不況でも大票田に変わりのない福岡市に押しかけている。
同社は北九州勢でも早くから福岡市に進出して数多くの実績を有している。先般は大和ハウスと組み、JR千早前(福岡市東区)の500戸超の超高層マンション販売を短期間で販売終了させている。しかし、冷え込んでいる福岡のマンション市場に、同社もむやみやたらな開発は控えているのが現状である。

しかし、アベクロミクスによる金垂れ流し政策は、現実に発現されようとしており、まず不動産業界に影響するとされ、不動産株価がボロ株まで一緒になり一斉に急騰している。
ところが、不動産株の一角である同社株は、昨年12月末の株価600円に対して、4月9日現在、27.3%増の764円でしかない。
業績や財務内容を見ると、特別利益が生じた前期の利益換算で、1株益が222.29円もあるものの、現実の株価は764円に落ち着き払っている。
今期は特益などない通常の決算が見込まれ、それでも1株益は128.38円の予想である。現行株価は、当決算予想でのPERは5.95倍でしかない。

経常利益は上昇を続けている。前期は前々期比37.3%増、今期は33.3%増の予想と大幅増となっている。
以上、どれを取ってみても、不動産関連株の出遅れ株ということが顕著になっているが、悲しいかな田舎の福証単独上場、出来高も限られ、一方通行になりやすいという扱い辛い面がある。また、発行株式数が少なく浮動株も少ないところが大きなネックともなっている。
東証への鞍替え時に新規発行すればそれなりの株価の反応はあるかと思われるが、経営者にそうした考えがあるかどうかは別問題。勘ぐれば公開株の買い戻しにおける上場廃止も脳裏にあるかもしれない会社かもしれない。
ただ、福岡のQボード上場のダイヨシ・トラストは、JC-NETで掲載したとおり8日の好中間決算予想発表で、9日は不動産株の地合いが悪かったにもかかわらず素直に反応し、108円高の932円まで上昇している。今8月期1株益予想142.31円からして、上昇余力もまだ大きい。
 

<第3四半期の業績>
第一交通産業の特徴は、
1、全国にタクシー事業(グループ保有台数7,277台)を展開していることであるが、不況下、車両の稼働率が若干悪化し、第3四半期までの売上高は前年同期比1.2%増の389億62百万円となり、部門営業利益は燃料価格の上昇もあり同▲24.4%減の11億32百万円となっている。
2、不動産分譲事業は、本体で分譲マンションを行い、子会社の第一ホームで戸建分譲を行っている。九州は分譲マンションや賃貸マンション開発においてリーマン・ショックの影響を大きく受けたことから、現在、単独での積極的な分譲マンションの展開は控えているものの、3月決算の第3四半期においては、売上高は前年同期比19.7%増の102億68百万円を計上、営業利益は同▲1億27百万円の赤字から、8億04百万円の黒字に転換している。
第3四半期に新規販売開始した分譲マンションは、「グランドパレスマリスタ唐戸」(山口県下関市 39戸)、「アーバンパレス姪浜レシェンテ」(福岡市 28戸)、「アーバンパレス九大学研都市」(福岡市 54戸)、「グランドパレスみなと大通り公園」(鹿児島市 52戸)、「ラコント都立大学」(東京都目黒区 31戸)、熊本駅周辺再開発エリアでの大型物件「グランドパレス熊本」(熊本市 106戸)と九州一円のほか、東京でも開発している。
3、また、安定収入となる不動産賃貸事業も行っており、第3四半期の売上高は前年同期比5.0%増の22億07百万円(前年同四半期比5.0%増)、営業利益は同10.0%増の11億11百万円を計上している。
ほか、金融事業及びその他事業は割愛。

決算期
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
2012年3月期予
売上高
70,652
74,178
83,422
89,000
営業利益
3,330
3,520
4,570
6,000
経常利益
2,629
3,004
4,125
5,500
当期利益
761
1,566
4,346
2,510
EPS
38.94
80.12
222.29
128.38
BPS
867.64
929.63
1,151.12
 
総資産
142,236
143,246
138,786
 
自己資本
16,964
18,176
22,506
 
資本金
2,027
2,027
2,027
 
有利子負債
91,949
94,212
89,869
 
自己資本率
11.90%
12.70%
16.20%
 
 
時価総額
14,985百万円(4/9日12:54)
発行済株式数
19,613,600
配当利回り(実績)
1.96%(12:54)
1株配当(実績)
15.00(2012/03)
PER(実績)
(連) 3.44倍(12:54) 
PBR(実績)
(連) 0.64倍(12:54) 
EPS(実績)
(連) 222.29(2012/03)
BPS(実績)
(連) 1,185.50(2012/09)
最低購入代金
76,400(12:54) 
単元株数
100
年初来高値
840(13/03/06)
年初来安値
601(13/01/04)
 
 
[ 2013年4月10日 ]
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