アイコン 大和ハウス/コスモスイニシアを子会社化 割当増資引受で6割超取得

大和ハウスは16日、コスモスイニシア(以後、コスモス)を子会社化すると発表した。上場は当面維持する方針。
両社の繋がりは、コスモスが平成21年4月28日経営悪化によりADRを申請、その後の同年9月28日、同社のマンション管理会社コスモスライフ(現、大和ライフネクスト)を買収支援し、業務提携したことから始まっていた。
今回大和ハウスが、コスモスの第3者割当増資の95億円を引き受けることにより、大和ハウスはコスモスの6割超の発行済み株式を取得し、子会社化するというものだが、コスモスの取引金融機関がADR時、債務の株式化で取得した優先株を実質的に肩代わりする形で行われる。

今回の子会社化により大和グループのマンション供給戸数は、第5位の4,132戸(大和ハウス+コスモス)となり、第4位の住友不動産の供給戸数に迫る。
大和ハウスによる子会社化の目的は、関西出身の大和ハウスは、今後も安定的に需要が見込まれる首都圏のマンション開発において、首都圏は同社全体のマンション供給の1/3にとどまり、今後1/2まで引き上げたいとしている。大和ハウスによると、当面コスモスイニシアのブランドは維持する方針。

<具体的な子会社化の内容>
大和ハウスは、コスモスが第三者割当増資により新たに発行する普通株式19,387,800株の全てを引き受ける。大和ハウスは同社子会社と合わせて、コスモスの普通株式21,739,616株(本第三者割当増資及び本転換後の発行済株式総数(33,911,219 株)に対する割合64.11%、議決権割合64.17%を保有することとなる。
平成25年6月27日に予定されている本第三者割当増資の払込み及び第1種優先株式の本転換により、コスモスイニシアの普通株式21,428,616株(本第三者割当増資及び本転換後の発行済株式総数(33,911,219 株)に対する割合63.19%、議決権割合63.25%)を取得し、同日付でコスモスイニシアは当社の子会社となる予定。
(a)引受株式数 普通株式:19,387,800株
(b)払込金額 1 株につき:490円
(c)払込金額の総額   :9,500,022,000円
(d)払込予定日     :平成25年6月27日
 
<コスモスイニシア子会社化について>大和ハウス
コスモスイニシア(リクルート子会社から平成17年6月MBOにより独立)は、サブプライムローン問題並びにリーマンショックなどを契機にした金融市場の混乱等を受け業績が悪化し、平成21年4月に産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法所定の特定認証紛争解決手続き(事業再生ADR手続き)の利用申請を行い、同年9月に事業再生ADR手続きが成立、同時に大和ハウスとマンション事業における物件の共同開発等を内容とする業務提携を締結した。それ以降、コスモス社は平成25年3月期を最終年度とする事業再生計画の基本方針に則り、同社の強みである新築マンション・戸建住宅販売事業並びに不動産賃貸事業、及び不動産仲介事業に経営資源を集中させた結果、事業再生計画最終年度である平成25年3月には1,008億円の事業再生ADR債務を完済し、平成25年3月31日をもって事業再生計画期間が完了した。
その間、分譲マンション・戸建住宅の収益性の改善を図り、首都圏を中心に75プロジェクト4,427戸の新築マンション420区画の戸建分譲の事業用地の取得を行うのみならず、更なる経営基盤の安定とその先の未来に向けた施策にも取り組み、マンション大規模修繕工事の受託やリノベーション・マンション分譲などの新たなビジネスの拡大にも取り組んでいる。
また、大和ハウスとの業務提携に基づき10プロジェクトのマンション共同開発事業の実施や、当社子会社と一体となってマンションの共用部等における資産維持に関する提案、アフターサービス等の提供やリノベーション・マンションの共同事業に取り組むなど、当社グループとの事業シナジーを高めてきた。
このような状況の中、大和ハウスは首都圏におけるマンション事業の更なる強化及び住宅ストック事業における新たな取り組みを推進するため、コスモスイニシアの第三者割当増資を引受けグループ会社化すると共に、お互いの強みを生かし合い更なる協業を進めるための新たな業務提携を定めた本資本業務提携契約を締結することにした。
なお、コスモスイニシアの普通株式は、今後も大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場での上場を維持する方針。
 
業務提携の概要
(a) 首都圏及び関西圏におけるマンションを中心とした住宅分譲事業において、新築住宅
の開発及び既存の集合住宅のリノベーション・建て替えへの取り組みも含めた一定のマーケットシェア維持を目指した安定的な事業継続を目指す、
(b) 投資用不動産開発に注力し、コスモスイニシアと当社系列の投資法人との連携を目指す、
(c) コスモスイニシアと当社グループとの具体的な業務提携の促進を図り、拡大が想定される中古マンション、戸建住宅及び事業用不動産の流通市場並びに既存の集合住宅等の大規模修繕、リノベーション及びリフォーム市場でのコスモスイニシアの事業拡張を目指すといった基本方針の下、以下の各号に定める事業について、具体的な業務提携の促進を図るための協議を引き続き継続していく。
 コスモスイニシアの分譲マンション供給戸数実績:2007年1,481戸、2008年2,080戸、2009年2,407戸、2010年1,549戸、2011年1,375戸、2012年ADR申請により落ち込みランク外。
 
2012年 分譲マンション供給戸数ランキング
2012年分譲マンション供給戸数ランキング
順 位
事業主名
供給戸数
1
 野村不動産
6,181
2
 三井不動産レジデンシャル
5,138
3
 三菱地所レジデンス
4,975
4
 住友不動産
4,209
5
 大和ハウス工業
3,176
6
 大 京
3,130
7
 あなぶき興産
2,103
8
 プレサンスコーポレーション
2,066
9
 近鉄不動産
2,032
10
 東急不動産
1,765
11
 東京建物
1,707
12
 阪急不動産
1,590
13
 タカラレーベン
1,545
14
 オリックス不動産
1,513
15
 穴吹工務店
1,376
16
 名鉄不動産
1,270
17
 マリモ
1,261
18
 日本エスリード
1,096
19
 伊藤忠都市開発
1,073
20
 積水ハウス
1,024
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[ 2013年4月17日 ]
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