アイコン 厚労省やっとディオバンのノバルティス社にメスか 臨床データ捏造事件

厚生労働省は、降圧剤バルサルタン(商品名:ディオバン)の臨床試験 疑惑で、データが操作された試験論文を、「選ばれしもの」「パワーが違う」などともに宣伝に使ったのは誇大広告を禁じた薬事法に違反する疑いがあるとし て、同法に基づき製薬会社ノバルティスファーマ(以下ノバルティス社、東京都港区西麻布4丁目17番30号)に対し、調査に乗り出す方針を固めた。

同社関係者から事情を聴き、必要があれば立入検査も実施する。
データ操作の故意性や、ノ社社員らの関与の有無が焦点になる。9月30日に開かれる同省の検討委員会の中間報告を待って本格的な調査に乗り出す。

薬事法は、医薬品を多くの人に使用させるために、意図的に虚偽や誇大な表現を使った広告を出すことを禁じている。
違反した場合は、2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科せられる。製薬会社には製造販売許可の取り消しや業務停止などの行政処分もある。

バルサルタンについては、東京慈恵会医大や京都府立医大など5大学が臨床試験を実施。
慈恵医大と京都府立医大の論文は、バルサルタンに脳卒中などを減らす効果があるという内容で試験規模も大きく、ノバルティス社の宣伝に使われた。

両大学は「解析データが操作されていた」と発表。ノバルティス社の社員(本年5月退職、社員でありながら大阪市立大学医学部の非常勤講師になり、その名義で臨床に関与し、臨床データを捏造していた。橋下市長は動かない)が肩書を伏せてデータ解析に関与したことを明らかにしている。
ノバルティス社は「社員がデータを操作した証拠はない」と関与を否定している。だが、厚労省は誤った論文が宣伝に使われた点を重視。ノバルティス社の社員や幹部らが売り上げを伸ばすことを目的にデータ操作に関与していなかったかどうか解明する必要があると判断した。

2007年4月、「バルサルタンは日本人の脳卒中などを防ぐ効果が高い」とする慈恵医大の論文が英医学誌に発表されていた。

その結果、「選ばれしもの」「パワーが違う」、こうしたキャッチコピーと共に、当論文は419種の広告や医師向け講演会の資料などに引用されてきた。
 また、2009年8月に慈恵医大の成果を後押しするような京都府立医大の論文が発表されると、これも285種の宣伝材料に使われてきた。

ノバルティス社は、関係する医師たちや日本高血圧学会の主力メンバーたちを使い全国各地で医師向けの講演会を開催させ、推奨させてきた。一方で臨床に関与した大学へは、巨額の寄付金等がばら撒かれていたことが判明している。(そのほかの個人等への巨額裏金は不明)

降圧剤「ディオバン」の2012年度の売上高は1,083億円、医師が処方する国内の医療用医薬品でトップの売上高を呈している。
「ディオバン」はノバルティス社の売上高の3分の1を占め、累計売上高は1兆2,000億円を超す、捏造データを基に超大型医薬品に成長させていた。

ノバルティスは、スイス・バーゼルに本部を置く医薬品の多国籍企業。医薬品売上高で世界第2位。ノバルティスファーマは、ノバルティスの日本法人名。

[ 2013年9月26日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索