アイコン スカイマーク/第一四半期 減収大赤字 重要な疑義 危ない違約金問題の行方心配

同社は第1四半期について、次のとおり説明している。
航空業界は、航空燃料税の継続的引き下げや羽田空港国際線の発着枠拡大に伴う就航便数の大幅増加等明るいニュースが出てきた一方で、円安基調の継続や原油価格の高止まり等、航空各社にとっては依然として厳しい経営環境が続いている。
同 社は、配分数の限られた羽田空港発着枠を効率的に活用すべく、従来より運航しているボーイング737-800型機に比べ、より大型のエアバス A330-300型機2機を高収益路線である福岡路線に投入した。当該機種は全席を座席幅の広い「グリーンシート」として装備しており、機内での快適性が 従来機に比べて格段に向上している。同社は、今後も当該機種を順次羽田空港を発着する幹線路線に投入し、更なる収益確保を図る。

事業収益は、就航路線の見直しにより、提供座席数が前年同期比で8.7%増加し、旅客数も比例して増加したが、競争の激化に伴い旅客単価が下落したことから、旅客収入は前年同期比▲2.3%の減少となった。
また、総売上高は前年同期比▲1.5%の減少となる181億94百万円となった。事業費は、エアバスA330-300型機の導入に伴う航空機材費の増加(前年同期比25.4%増)及び同機の導入に係る運航乗務員訓練費の増加(前年同期比397.0%増)並びに整備部品費の増加(前年同期比13.3%増)、また、原油価格水準が引き続き高値水準で推移したことによる航空機燃料費の増加(前年同期比9.7%増)等の影響により、総額229億10百万円(前年同期比14.0%増)となった。
販売費及び一般管理費は株式報酬費用の減少、広告宣伝費の減少等により8億11百万円(前年同期比4.7%減)となった。

これらの結果、営業損失は▲55億26百万円(前年同期は▲24億77百万円の営業損失)、経常損失は▲54億48百万円(前年同期は▲12億03百万円の経常損失)、当四半期純損失は▲57億95百万円(前年同期は▲12億41百万円の四半期純損失)となったとしている。
以上。
こうした業績不振により、エアバス社に注文していたA330型機の納入を先延ばしする方針を決定したが、エアバス社は、すき放題に同社の身売り勧告を出す始末、そして巨額違約金支払い問題も浮上している。
スカイマークは7月29日、エアバス社から導入予定の大型旅客機「A380」について、購入契約の解除を通告されたと発表した。

燃料費の高騰や格安航空会社(LCC)との競争激化などで業績が悪化し、代金支払いのメドが立たないと判断されたためとみられる。
エアバスが700億円規模の違約金の支払いを求める損害賠償訴訟に発展する可能性も出ている。
これでは、今後、調子に乗っているエアバス社からの購入は、世界市場で大幅に減ずる可能性がある。しかし、同社も上からANAとJALに、下からは新興LCC各社に翻弄され、購入決定当時より円安により25%以上高くなった同機6機(1900億円)、さらに円安による燃料費高騰による業績悪化を招く中、経営の甘さを露見させたものだとの指摘が大勢となっている。

同社も直接購入ではなく、リースによる調達を考慮すべきではなかったのだろうか。中途半端な大手への幻想、徹底したLCC戦略の忘却、攻めの営業体質の喪失。
航空行政との絡みもあるが、いっそ、本社をウォン高の韓国へでも移転させ、韓国で格安?の燃料を調達して、日本国内で飛ばしたらいかがだろうか。(ただし、韓国のガソリン代はウォン高でも高い。ジェット燃料が安いかどうか不明。安ければの前提条件付きだ)。
グローバル化した中、生き残りのためにはなんでもありだ。
なお、エアバス社からもしも違約金=損害賠償請求を受けたとしても、裁判でひっばれば、決着は数年後へ先延ばしされる。それまでに同社の雌雄も決着していることだろう。
 経営者のエアバス大量導入計画は、一転突破全面展開のはずだったが、真逆となっている。


<重要な疑義>
なお、同社は重要な疑義を生じさせるような状況が存在していることを表明している。
同社は、前事業年度においてエアバスA380型機及びエアバスA330型機の導入作業に多額の支出を要したこと等から営業損失2,506百万円、当期純損失1,845百万円を計上し、当第1四半期会計期間におきましても、営業損失5,526百万円、四半期純損失5,795百万円を計上いたしました。当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。
これに対し、同社は状況を解消すべく、以下の対応策に取り組んでいる。
・エアバスA330型機の導入による輸送力の強化
・高品質座席の提供による顧客の囲い込み及び新規顧客の獲得
・不採算路線の休止
・金融機関からの借入れ
同社は、上記の対応策を進めることで収益力を強化し経営基盤及び財務基盤の安定化を図っている。また、同社はAIRBUS S.A.S.社(エアバス社)と計6機のA380型機の購入契約を締結しているが、平成26年7月25日に、当該契約について解除する旨の通知をエアバス社より受けている。本件については、エアバス社より多額の解約違約金の支払いを求められており、相当金額の解約違約金を負担せざるを得ない可能性もあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているとしている。
 

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
14年3月期Q1
18,478
-2,477
-1,203
-1,241
15年3月期Q1
18,194
-5,526
-5,448
-5,795
15年Q1/14年Q1比
98.5%
223.1%
452.9%
467.0%
15年3月期予想
104,440
312
644
354
15期予想/14期比
121.5%
 
 
 
14年3月期
85,975
-2,506
-403
-1,845
13年3月期
85,943
4,674
8,091
3,778
12年3月期
80,255
15,283
15,747
7,705
2015年3月期Q1
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
77,522
38,910
38,439
49.6%
 
直近のスカイマークの株価推移
日付
終値
前日比
出来高
2014年7月31日
209
-7
5,711,200
2014年7月30日
216
-34
11,787,800
2014年7月29日
250
-38
12,504,600
2014年7月28日
288
-3
483,100
2014年7月25日
291
1
353,500
2014年7月24日
290
7
657,800
2014年7月23日
283
1
189,500
2014年7月22日
282
2
163,600
2014年7月18日
280
-1
125,600
2014年7月17日
281
0
139,800
2014年7月16日
281
0
458,000
2014年7月15日
281
0
273,900
 
スカイマーク航空
[ 2014年8月 1日 ]
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