アイコン パイオニアDJ部門をKKRに590億円で売却 今期550億円特別利益 1.5千人削減効果も

<DJ事業>
パイオニアは、世界の DJに愛用されているDJ機器部門を、カーナビに特化するため、パイオニアDJに企業分割し、PDJホールディングス株式会社に590億円で売却すると発 表した。PDJホールディングスの株主は、KKR PDJ Investment L.P. 100%。
PDJホールディングスは、パイオニアDJの発行済株式の全てを約590億円で取得。パイオニアは、PDJ-HDの第三者割当増資を引き受け、PDJ-HDの持株比率はKKRが85.05%、パイオニアが14.95%となる。
パイオニアは、売却先が投資ファンドであり、一定の経営責任を持つ契約となっている。

<AV事業>
なお、パイオニアのホームAV事業は、オンキヨーと事業統合する。bk統合は、まずパイオニアが統合対象事業を完全子会社のパイオニアホームエレクトロニクス(PHE)に集約。パイオニアがオンキヨーの普通株式14.95%を取得するとともに、パイオニアはPHEの全株式をオンキヨーに対して譲渡する形で、PHEとオンキヨーが合併し、オンキヨーが存続会社として事業を継続する。AV事業、電話機事業、ヘッドフォン関連事業などが対象となる。

以上、パイオニアとしては、こうした売却や統合により1500人の従業員(全従業員の10%)の削減とともに、特別利益550億円を生じさせる。

パイオニア
連結/百万円
2012年3月期
2013年3月期
2014年3月期
売上高
436,753
451,841
498,051
営業利益
12,514
5,997
11,169
経常利益
9,863
812
5,111
当期利益
3,670
-19,552
531
総資産
322,012
311,325
327,913
自己資本
84,113
76,404
72,459
資本金
87,257
87,257
91,732
有利子負債
89,511
96,212
87,448
自己資本率
26.1%
24.5%
22.1%
経営不振から、資本金を自己資本が喰い込んでいる。
 
<パイオニア新事業方針>
パイオニア、カーエレクトロニクス事業を主軸とした事業体制構築など事業方針を策定
1.市場環境
 自動車産業は、新興国を中心に今後も継続的に販売が成長すると見込まれており、また、先進国においては自動車のIT化や自動運転に向けた取り組みが進められている。
一方、カーエレクトロニクス業界では、カーエレクトロニクス製品の新車販売時における純正装着やディーラーオプションによる装着の比率が高まるなど、当社を取り巻く市場環境は、大きな変革局面を迎えている。
 
2.経営目標
 当社は、顧客からの高い信頼やブランド力、技術力など、当社の強みを最大化することで、このような市場環境の変化を、カーエレクトロニクス業界での存在感を一層高め、将来を勝ち抜くための最大の好機と捉え、車室空間における快適、感動、安全・安心を創出する「総合インフォテインメント」のリーディングカンパニーを目指す。
 この目標達成に向け、OEM市場では、これまで蓄積してきた知見や顧客からの信頼などを背景に、自動車メーカーやそのメガサプライヤーにとって、なくてはならないキーサプライヤーとなることを目指す。
市販市場では、世界初・最先端の価値を他社に先駆けて提案、普及、拡大することで、コネクテッドカーライフ市場における新たな価値を提案する先駆者としてカーエレクトロニクス業界をけん引する。
 
3.事業ポートフォリオの再編
 当社は、経営目標の実現に向け、カーエレクトロニクスに経営資源を集中し、カーエレクトロニクス事業を主軸とした事業体制を構築する。
ホームAV事業とDJ機器事業については、外部パートナーとともに事業やブランド価値の拡大を目指すことにした。その他のカーエレクトロニクス以外の事業については、選択と集中を加速する。
 
4.成長戦略
 前述の経営目標を達成するため、以下の施策を講じる。

(1)コネクテッド化
 当社は、車がクラウドに繋がることで快適な車室空間を実現する「コネクテッドカー」の普及を見据え、キーとなる「情報サービス」「車載機器」「周辺機器」という3つの要素において、当社の強みをさらに強化し、他社に真似のできない魅力的なコネクテッドカーライフを実現する。
 「情報サービス」では、独自の地図データや次世代自動車向けクラウド基盤「モバイルテレマティクスセンター」を保有しているという強みを活かし、自動運転に向けた詳細地図データや新興国向けの地図データの強化、データ解析技術の高度化に取り組む。
 「車載機器」では、カーAV機器のリーディングカンパニーとしての強みをさらに強固にしていくため、市場の変化にいち早く対応し、AV機器とナビゲーション機器の融合や、オープンプラットフォーム化への対応、スマートフォンやクラウドとの連携を強化する。
 「周辺機器」では、車載機器のユーザーインターフェースにおける知見や、自社で保有するキーモジュールやキーデバイスの開発力や生産力に加え、アライアンスやM&Aも活用して、コネクテッド化に対応するキーモジュールやキーデバイスを強化する。
 
市販市場において先行してコネクテッドカーライフにおける価値の普及を進め、OEM市場や業務用市場に展開していく。
(2)OEM事業の拡大
 OEM事業では、これまでの知見や信頼、技術力など、当社の強みに磨きをかけるとともに、コネクテッドカーに向けたソリューション提案力、自動車の運転席周りを構成するキーモジュールなどの開発力の強化に取り組み、既存顧客との取引拡大や新規顧客獲得により、売上拡大と収益力強化を図っていく。また、自動車販売の伸長とともに成長が見込まれるカースピーカービジネスにおける取り組みを本格化させ、グローバルにシェア拡大を図っていく。
 
(3)新興国での挑戦
 新興国向けビジネスでは、新たな挑戦として、大きく伸長すると予想される車格の小さいスモールカーを対象とした、新たなターゲット層に挑戦していく。
攻略に当たっては、現地の経済水準に合った体制が重要と考えており、M&Aや現地ローカル企業とのアライアンスも視野に入れて進める。
 
(4)経営基盤強化
 生産拠点の再編により、生産体制のシフトを進めるとともに、国内生産拠点における間接業務のIT化を推進し、海外シフトを加速することで、生産コストのさらなる低減を図っていく。
また、製品構造の標準化、共通化により、開発・生産コストの低減を図っていく。
さらに、カーAV製品やカーナビゲーションシステムの機種統合により、開発効率の向上や大幅に開発コストを削減することで、カーナビゲーションシステムの収益改善やカーOEM事業の利益率向上を図る。
事業ポートフォリオの再編に合わせ、グループ全体の経営体制の再構築とスリム化を推進する。
国内において、本社の組織体制を事業軸から機能軸に改編し、機能・部門の統合を図るとともに、拠点の再編を行う。
また、生産・販売面において、カーエレクトロニクス事業中心の体制を再構築するとともに、新興国攻略のための体制強化も同時に推進する。
 
さらに、国内で約800名、海外で約700名、合計で約1,500名の体制のスリム化を予定している。事業ポートフォリオの再編と体制のスリム化によって、連結人員数を10%減少させるとともに、役員数を削減する。
 
以上。財務方針は割愛。
[ 2014年9月17日 ]
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