アイコン 財界は派遣強化 イケアはパートの正社員化の違い

リクルート低賃金に加え、首切りご免の非正規雇用者の大量創出、すでに労働組合は100%形骸化し、組織率 も大幅に減少している。経営者の脳味噌の貧困から、日本のお家芸だった電化・電子製品は、国の政策に溺れている間に、世界の市場で淘汰され、国の補助政策 が終わるや未曾有のリストラに明け暮れている。
国の政策である非正規雇用の拡大は、少子化を加速化させ、内需低迷の原動力となっている。それにも飽き足らず、非正規雇用の拡大を図っている現在の財界と国でもある。

<イケアの挑戦>
イケアは、全国8店舗で働く約3400人のうち7割がパートタイムだが、その男女のパートタイマーの全員を正社員にした。
制度を導入した背景には、正社員との待遇の違いがパートタイムの能力の発揮を阻んできたのではないかという会社側の考えがある。
管理職の女性は、「売り上げがなかなか達成していなかったとき、それを達成するためにどうしたらいいかを考えるのは社員の仕事で、その社員が考えたアクションをパートタイマーが実行する、といった暗黙の了解が現場であった」と説明しているという。
イケアでは、安定した雇用はイケアの発展と成長にとって非常に重要と断言している。
正社員になることで従業員には、より責任感やコスト意識を持つよう求められる。みずから考え積極的に動くことで、業績アップにつなげられるとの確信がイケアにはある。
会社側は、面談を通じて一人一人にそうしたことを意識するよう伝えた。

全従業員の「正社員化」で、これまでパートタイムで働いていた人は次の点が変わった。
1、賃金は時給に換算すると正社員と同じ水準にアップする。
2、 手当や休暇などの福利厚生は正社員と同じになる。
3、 雇用期間は半年ごとの契約更新がなくなって65歳の定年まで働けるようになり、社会保険にも全員加入する。
4、 勤務時間の長さなどはこれまでどおり自由に選べる。
人件費のアップや社会保険料の負担増などで会社側の負担は最低でも年間7億円に上ると見込まれている。しかし、イケアでは、その負担を上回るメリットを得られると考えている。

会社側にとって、長期的に働き続ける人が増えれば、仕事の習熟度やノウハウは高まり、生産性のアップが見込まれる。また、働きやすい職場には「私も働きたい」と今後、優秀な人材が集まることが期待される。
 日本は、正社員の給与が少し上がった年齢の30歳以上のリストラを盛んに行っている。今では財務内容が優良企業でさえ平然と希望退職者募集という大義名分を掲げ首切り、派遣社員を大量輩出させている。組合がアメリカ以上にまったく機能していない今の日本にあり、企業がなすがままとなっている。そうした会社に愛社精神などありようもなく、また国も然りだ。

少子高齢化が進むと、今後、労働人口はさらに減少する。そうした中、派遣強化や労働者の低賃金による流動化をはかり続ける国や財界に対して、アンチテーゼのイケアの挑戦が始まっている。
グローバル化の美名の下に財界の口車に乗った国の政策による非正規雇用の低賃金層の大幅な拡大は、少子化とともに、日本の内需に超長期にわたり問題を引き起こすことになる。すでにそうなってしまっている。

[ 2014年9月 8日 ]
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