アイコン 浜松ホトニクスの「光電子増倍管」をマイルストーン認定/IEEE

光学機器メーカー「浜松ホトニクス」は15日、1981年に開発した商品「光電子増倍管(直径約50センチ)」が、社会や産業の発展に貢献した技術革新をたたえる「マイルストーン」に認定されたと発表した。
光電子増倍管はセンサーの一種で、2002年にノーベル物理学賞に輝いた小柴昌俊氏のニュートリノ観測に用いられた。
マイルストーンは、米国に拠点を置く世界最大の電気電子学会「IEEE」が創設した制度。
開発から25年以上経過した技術が対象で、今回の増倍管を含めて世界で148件、国内で23件をこれまでに顕彰している。国内では東海道新幹線や富士山頂のレーダーなどが選ばれている。

認定式は11月5日、IEEE本部の会長が来日し、静岡県磐田市の浜松ホトニクス豊岡製作所で行われる。
 光電子増倍管は、医療、計測、半導体など多くの分野で使われている光検出器。管の直径が大きいほど、性能が上がる。1959年に第1弾を発売した浜松ホトニクスは、現在、世界の市場占有率で約9割を占める。
 認定対象となった直径約50センチの増倍管は1979年、ホトニクスが(2002年にノーベル物理学賞に輝いた)小柴昌俊氏から依頼されて開発し始めた。
 当時は、直径約13センチと約20センチの試作品に着手したばかり。要求は前例のないサイズだった。「開発には数億円かかるが、とにかくやってみよう」と、社を挙げて取り組み、約2年後に開発成功。微弱な光でも検出する高性能を実現した。これを用いた観測施設「カミオカンデ」で、小柴氏は87年、超新星の爆発に伴うニュートリノの観測を成し遂げた。
 
ホトニクスは15日、マイルストーン認定の記者会見を開いた。
当時の開発責任者だった鈴木賢次常務取締役は「開発は難しく、いったん断ったが、未知未踏に挑むのが我々の仕事。なんとかなると思い直した」と振り返った。
昼馬明社長は「挑戦しなかったら、その後の当社の宇宙関連製品はなく、日本の素粒子研究は進まなかった」と語った。

浜松ホトニクス
1953年創業。光関連の電子部品や電子機器を製造するメーカー。医療や工業用に使われ、高い技術力で世界的に知られる。2013年9月期連結決算の売上高は1021億円と最高だった。

以上、読売等参照
 

[ 2014年10月16日 ]
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