これは、国内の不動産市況の低迷で建設需要が冷え込み、鋼材やセメントの生産が落ち込んだことなどによるもの。
また、１０月の小売の売上高は、不動産販売の減少に伴い建材や家具など住宅関連の商品が振るわなかったことや、自動車の販売が伸び悩んだことから、前年同月比１１．５％増と５ヶ月連続で伸び率が縮小し、２００６年２月以来の低い水準となった。
こうした需要の伸びの弱さを背景に、企業が製品を出荷する際の値動きを示す指数もこのところ下落幅を拡大していて、中国経済の安定成長に向けては政府の景気下支え策が焦点となっている。
ところで、中国密漁船が日本の領海から盗んでいる宝石サンゴが類する金銀ジュエリーなどの宝飾品は、１～１０月までの累計は前年比▲１．７％減の２,４４８億元(約４兆６千億円)／18.85元)となっているものの、１０月単月では１１．７％増の２４８億元だった。９月も１１．４％増、７月７．３％増加して増勢となっている。

 

景気が悪いといっても７．３％の経済成長が続いている。成り金饅頭となった富裕層は、儲からなくなった不動産投資へ資金を回さず、安定した換金性のある金銀等の宝飾品の購入に向かっているものと見られる。
また、これまでの減少は汚職撲滅で汚職官僚婦人たちが宝飾品を買い控えている。中国では、ここ数年、公務員の汚職逮捕者は毎年４万人以上を超えているが、今は地方政府や機関の幹部クラスが狙い撃ちにされている。海外逃亡者官僚たちも続々逮捕されすでに１０００人を超えているが、まだその数は一握りだという。そうしたことから、年初より購入客が大幅に落ち込んだものの、宝飾品は富裕層の拡大により前年同月比で増加し続けている。

 

また、お先真っ暗の光化学スモッグの大気汚染で国民の健康状態が心配される中、薬品販売の１０月は１５．３％増の５９２億元、累計でも１５．１％増の５,５８２億元(約１０兆５千億円)と安定して高い伸びを示している。
(中国からの観光客に対して、医薬品の販売は、中国語のパッケージや説明書を入れれば有効かもしれない・・・日本の薬はよく効くと中国人がTVインタビューに答えていた。それによく調べている)

 

自動車販売は、１０月４．５%増の５,８２１億元、累計では８．６％増の２兆６,６９４億元(約５０兆３１百億円)と販売の減速傾向を如実に表している。
　その結果、石油や石油製品も１０月４．３％増、累計で７．７％増と低迷している。

１３億人が相手だけにどの数値もスケールがでかい。