アイコン 映画じゃない 核とサイバー戦争/個人から国家へ 第5の戦争領域

<核爆弾は何回も落ちていた>
1958年、米サウスカロライナ州にあるグレッグ家の庭に核爆弾が落ちた。
地面には、大きな穴が開き、数羽の鶏が死に、一家は軽傷を負って自家用車のシボレーは大破した。
B47爆撃機に搭乗していた空軍大尉がうっかりレバーをつかんだことで、爆弾倉が開いてしまったことが原因だったが、爆弾に核分裂性核種が搭載されていなかったのは、不幸中の幸いだった。
しかし当時、他の米軍機は完全な機能を備えた核兵器を運んで頻繁に飛行しており、先週オーストリアの首都ウィーンで開催された核兵器に関する国際会議で指摘されたように、こうした事故は決して単発的なものではなかった。

「核爆発を起こさずに冷戦を終えたことは幸運だった」と、58年やその他の核兵器にまつわる事故について書かれた『コマンド・アンド・コントロール』の著者エリック・シュローサー氏は同会議で述べた。「問題は、運はいつか尽きてしまうということだ」と語った。

同氏は、情報自由法に基づく膨大な資料の請求や政府高官らのインタビューなど、新著のための調査に6年を費やした。

1961年に起きた事故では、B52爆撃機が空中分解し、旋回しながら落下した。
その遠心力によって、完全に運用可能な水素爆弾がノースカロライナ上空に放り出された。「広島の数百倍もの威力を持つ水爆の爆発を防ぐことができたのは、水爆が備えていた、たった1つのスイッチだった」とシュローサー氏は言う。

1968年には、水素爆弾4発を積んだB52爆撃機がグリーンランドのチューレ空軍基地近くに墜落した。核物質を囲む爆薬は爆発したが、核爆発は避けられた。だが、一帯は放射性プルトニウムに汚染され、爆弾1発の一部はまだ発見されていないという。

1980年には、当時の国家安全保障担当大統領補佐官、ズビグニュー・ブレジンスキー氏が、夜中の2時半に起こされ、ロシアが核ミサイル220発を米国に向け発射したと知らされた。ミサイルの数はさらに、次の報告で2200発に訂正された。
米軍機がエンジンをかけ、ブレジンスキー氏がジミー・カーター大統領に電話をかけようとしていたときに、ようやく誤報だったと判明した。原因は、価格が50セントにも満たないマイクロチップ1個の誤作動だった。

<危険は過去のもの?>
25年前にソ連が崩壊して以来、世界の核兵器は削減され、技術的な進歩による安全面の向上もあり、事故が起きる確率は減少している。米国は、保有するミサイルは海上に配備されており、米軍機が日常的に核兵器を運送することはもはやないとしている。 

それでも、いまだ世界9ヶ国が1万6300発の核兵器を保有している。
うち1800発はすぐにでも発射できる状態にあり、専門家たちは大きな懸念材料はまだあると指摘している。
核弾頭そのものは最新化されているかもしれないが、それらが搭載されるミサイルや空軍機、潜水艦は古くなっており、事故はまだ起こり得る。

たとえば、2009年には英国とフランスの原子力潜水艦同士が衝突する事故が起きたとされる。また先週、英大衆紙デイリー・エクスプレスは、過去4年間に英海軍の潜水艦で火災が44件起きていると報じた。
だが最も心配なのは、核兵器を配備するのに必要な時間が短縮されたために「一触即発の」危険があることだと、米国の核ミサイルの元監督官で現在はプリンストン大学で教えるブルース・ブレア氏は言う。「ロシアはプロセスの自動化によって発射までの時間を短縮した。モスクワから、遠くはシベリアまで離れた発射装置からミサイルを直接発射するのに、ロシア軍の指揮官が必要な時間は数秒ほどだ」と。

<サイバー攻撃の危険性>
ハーバード大学法科大学院バークマン・インターネット社会研究センターのカミール・M・フランソワ氏によれば、高度な自動化により、冷戦時代にはほぼ考えられなかったリスクが生じている。それは、サイバー攻撃のリスクだ。

「核兵器はサイバー攻撃に対し、極めて脆弱だ」とフランソワ氏はAFPの取材に語った。さらに、政策立案者らは1983年の映画『ウォー・ゲーム』のような一匹狼のハッカーによる攻撃のみ想定した「1980年代の考え方」に固執し、サイバー攻撃はインターネットを通じてのみ行われると信じ込んでいると、同氏は警鐘を鳴らしている。
「もはや若者ではなく、国家がサイバー戦争に非常に多くを投資している。これは新たな戦場、第5の戦争領域だ」と。

元米国務省高官で現在は英シンクタンク「国際戦略研究所」に在籍するマーク・フィッツパトリック氏は、核爆発事故がこれまで一度も起きていないという事実は、「核兵器を扱う人々が、自分たちの任務に真剣に取り組んでいることを示している。だが、一方で、そのような事故がこれまで起きなかったのは、非常に幸運なことだ。この問題の緊急性は誇張されることもあるが、私はそのリスクや誤りが生む破滅的な結果を軽視したくない。核兵器は、これまで開発された兵器の中で最も危険なものだ。」と、
先述のシュローサー氏は「わたしたちは、この技術を開発した瞬間から今まで、これを制御できたことは一度もない」と述べている。
以上、AFP参照
アヤウイ!アヤウイ!何らかの通信回線がつながっている限り、最重要拠点の装置が第3者にコントロールされる危険性は常にある。
陸、海、空、宇宙に次ぐ第5の軍事領域がサイバー領域(戦争)
NSA、NGA、M16、GCHQ、DGSE、ZNBw、СВР、モサド、PLA Unit 61398、北朝鮮偵察総局、NIS、アノニマス、Lizard Squad・・・・
争いごとを計画する人たちをすべて去勢・・・。
 

南太平洋のムルロア環礁で行われた核実験1971年AFP撮影

南太平洋のムルロア環礁で行われた核実験1971年AFP撮影。映画ではない。

[ 2015年1月19日 ]
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