アイコン 「生体肝移植」4人のうち3人は助かった可能性指摘/神戸国際フロンティアメディカルセンター

0424_01.jpg神戸市にある病院で肝臓の移植手術を受けた 患者7人のうち4人が手術後1ヶ月以内に死亡した問題で、日本肝移植研究会(事務局:神戸大学大学院 肝胆膵外科学)は、死亡した4人のうち3人は手術の計画や術後の管理などに問題がなければ助けられた可能性があるとする報告書をまとめた。病院の体制が不 十分だと指摘するなど厳しい内容となっている。

この問題は、神戸市にある神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)で、「生体肝移植」と呼ばれる肝臓の移植手術を受けた患者7人のうち4人がいずれも手術後1ヶ月以内に死亡したもの。
移植手術の専門医でつくる「日本肝移植研究会」が23日まとめた報告書よると、病院には移植医療で重要な循環器内科の医師などが常駐しておらず病院の体制は不十分だといわざるを得ないとしている。

その上で、血管が細い子どもの移植手術で通常行っている顕微鏡を使った血管のふん合手術を行っておらず、肝臓に血液がうまく流れないで死亡したケースがあることなどを指摘している。
そして、死亡した患者4人のうち3人については、手術の計画や手術後の管理などに問題がなければ命を助けられた可能性があるとしている。
報告書は、組織を抜本的に改変するまでは移植手術は中断すべきだとしている。

<KIFMECとは・・・>
KIFMECは、神戸市がすすめるアジアのメディカルセンターを見据え、肝臓病及び消化器病の高度な先端医療サービスを提供する施設として2014年11月17日に、神戸ポートアイランドに開業した。神戸市立医療センター中央市民病院を中核にして高度専門病院と連携するメディカルクラスターを形成し、世界標準の治療技術・サービスの普及と新しい医療の創出を目指すとしている。しかし、KIFMECは、高度医療を行うにはあまりにも医療スタッフが整っていないまま、市立病院と連携もほとんど取れず移植手術を行っていた。
神戸市が運営する5つの病院は、患者対応の忙しい医師しかおらず、大学病院のように医師のほか、医学部教授、研修医など多くの医療人材を抱えているわけではない。ましてや、京大派閥の出来立てのKIFMECであり、簡単に連携できるものでもなかろう。まだまだ、医療機関ほど学閥支配されているところはないのが実情だ。

<KIFMECの院長兼理事長で執刀医は、田中 紘一医師>
京都大学大学院医学研究科 1966年卒業
京都大学医学博士
日本外科学会専門医
日本移植学会移植認定医

田中紘一医師は、京都大学病院で「生体肝移植」手術につき、豊富な実績を有し、数々の賞も受賞している生体肝移植の第一人者とされる著名な医師だが、京都大学病院には、それぞれの専門分野の先生たちが組織だって生体肝移植手術に対応しており、様態急変でも適切に対応できる体制がある。ましてや、急変しないように各担当の先生たちやスタッフたちが24時間監視対応している。

ところが、KIFMECは、執刀医は別にしても、手術後、組織だってフォローする先生たちが24時間常駐しているわけではなく、生体肝移植手術を行うべきではないと日本移植学会から指摘されている。

当の田中紘一医師は、当問題が発覚しても、医療体制にまったく問題はなく手術を続行すると表明していたが、今回、上記のように子供に対する手術の方法で、通常行われている方法も採用せず執刀、それが原因で死亡した確率が高いと指摘されてもいる。

<自治医大病院の場合>
年間20例の生体肝移植を行っている自治医大病院の場合、
生体肝移植などの移植外科を筆頭に、消化器外科、小児外科、麻酔科、集中治療部、放射線科、消化器内科、腎臓内科、小児科、病理診断部、臨床薬理学部門、薬剤部、分子病態研究部などの各科と連携をとり、治療にあたっているとしている。循環内科も病院内にあり、医師もいる。

これはもう、田中紘一医師の過去の豊富な「生体肝移植手術」の経験に溺れた執刀行為とも受けとめられよう。

神戸市は、「生体肝移植手術」の医師の医療体制が十分整わない中、こうした患者を国内外から受け入れるなど、KIFMECの設立者としてその責任がある。

インドネシア人が2人亡くなっており、国際問題に発展する可能性すらあるが、こうしたことが明らかになり、東京女子医大・群馬大の病院ともども日本の医療現場の体制がいかに杜撰なものか国際的に表明したようなもの。・・・極一部のこうした医療機関のために。

<臓器移植の病院認定制度導入が必要>
厚労省や日本移植学会は、こうした「生体肝移植」などの臓器移植を行う病院については、対応する分野の医師が常勤でいるかどうかも含め、認定制度が必要だ。
移植に直接かかわる麻酔医や移植認定医のほかに、術後をフォローする各分野の専門医師の常勤医師数、専門スタッフなど、移植病院の認定基準を作成し、認定した上で生体肝移植などの臓器移植の手術を行わせるべきだろう。
KIFMECは、

<KIFMECの医師体制>
循環内科および感染症専門の常駐医師は一人もおらず
KIFMECのHPに登録されている常勤医師は8人しかいない。生体肝移植手術後に最も重要となる循環器内科の医師は常勤にも非常勤にもおらず、感染症内科の医師もなんと非常勤で、その先生は神戸大学病院の医師。
(臓器移植では、術後3ヶ月以内に感染症から合併症を併発して死に至るケースがあるとされる)

KIFMECのベッド数は120床あり、医師たちはそれぞれの分野の日常の医療業務で目いっぱいであり、生体肝移植手術に対応できる先生たちは8人のうち4人、うち1名は麻酔が専門、生体肝移植手術からその後の感染症や合併症などの対応も含め、そのほとんどを移植認定医の3人が行っていたものと推察できる。
3人のうちの一人である田中院長兼理事長はすでに72歳、24時間体制など所詮無理というもの。また、院長・理事長としての業務もある。

<KIFMECの医療の医師体制>
KIFMECの診療科目は、消化器内科、消化器外科、肝臓・胆のう・膵臓移植外科、内科、放射線科、病理診断科、臨床検査科、麻酔科がある。

<常勤医師8名、非常勤1名>
1、肝胆膵・移植外科 医師3名・・・移植認定医(3名とも京大医学部卒、うち1名は東京女子医大も卒で移植のほか消化器外科、がん治療も専門)
2、消化器外科 医師4名(京大医学部卒2名)
3、麻酔科 医師1名
4、非常勤で医師 専門:感染症内科 1名 (京大医学部卒)←神戸大学病院の医師

 

[ 2015年4月24日 ]
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