アイコン 中国人民銀行 3度目の金利引き下げ 景気刺激策  基準金利の推移

中国人民銀行は5月11日から、金融機関が企業に資金を貸し出す際の基準金利を現行の5.35%から0.25%引き下げて年5.10%に、預金の基準金利 を今の年2.5%から0.25%引き下げ年2.25%にすると発表した。中国人民銀行は昨年11月、今年3月と引き下げており3回目となる。

中国は、住宅向けの投資や企業の設備投資が伸び悩むなど内需が力強さを欠き、物価が政府の年間目標を大きく下回っている。
また、世界経済の低迷から輸出も2ヶ月連続で前年同月を下回るなど外需にも弱さが見え、さらなる景気減速の懸念が出ていた。
中国人民銀行は、昨年11月、約2年4ヶ月ぶりに政策金利の引き下げに踏みきったが、今回の利下げは、この半年間で3度目となるもので金融緩和を進める背景には企業への貸し出しを促し、景気を下支えする姿勢を一段と強めるねらいがあるとみられる。

しかし、一方で、こうした景気刺激策に証券市場は、半年間で倍増するなど超バブルを演じており、空売りの規制緩和などを実施するなど冷やすのに懸命となるほど過熱化するという大きな弊害も生じている。

シャドーバンキング資金の拠り所であった証券市場、不動産市場、企業関係の債権市場の3本柱は、不況で不動産と企業融資は行き詰まり、株価も下げ続けていた。昨年11月の景気刺激策の金利下げに、中央政府が景気低迷の打開策に本腰を入れたと評価され、外資ハゲタカファンドや民間資金が証券市場に雪崩れ込み、買いが買いを呼び、暴騰している。

<金利低下の変遷>
2012年7月から6.00%の基準金利が続いていたが、昨年(2014年)11月22日から貸出基準金利を0.4%引き下げ5.60%に、預金金利は0.25%引き下げて2.75%とした。
今年(2015年)3月にも0.25%引き下げ5.35%としていた。

<先富論>
鄧小平が論じた白猫黒猫論は先富論であったはずだが、今や中国共産党の一党独裁による究極の資本主義である新自由主義経済を謳歌、富む者が更に富み、貧富の格差は拡がり、ほとんどの市民が大都市に住宅を購入することすらできなくなっている。
(中国の大都市の住宅価格は、日本と変わらないかそれ以上に高い。平均賃金は日本の半分以下、地域によっては1/4以下、しかし、13億円人の人口を抱え、白猫黒猫の富裕層と投機筋が不動産価格を押し上げてきた結果でもある)。
景気低迷に資本主義国同様、景気を刺激する政策しかできない、政治に対する不満や批判を犯罪とする中国共産党一党独裁国である。

 

中国人民銀行の基準金利と預金準備率
1年もの基準金利
変更日
貸出金利
預金金利
2015年5月11日
5.10
2.25
2015年3月1日
5.35
2.50
2014年11月22日
5.60
2.75
2012年7月6日
6.00
3.00
2012年6月8日
6.31
3.25
2011年7月7日
6.56
3.50
銀行預金準備率
2015年4月20日
18.5
 
2015年2月5日
19.5
 
2012年5月13日
20.0
 
2012年2月19日
20.5
 
2011年12月1日
21.0
 

 

[ 2015年5月11日 ]
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