アイコン 韓国 中小企業も大企業も"赤信号" 投資墜落・雇用減少

韓国の中小製造企業は、最近3年間、生産と出荷増加率で0成長になり、雇用と投資は減少傾向を示していると分析された。 また、売上額上位500大企業についても昨年、売上と営業利益が同伴して墜落したことが明らかになり、中小企業と大企業に揃って“赤信号”が灯った。

<韓国内の中小製造業の経営現況>
大韓商工会議所は20日、「中小企業経営状況から見た経営診断と示唆点」という報告書で、中小製造企業の最近3年間の生産増加率(表の灰色線)が2012年0.3%、2013年1.5%、2014年0.1%であり年平均0.63%にとどまったことが明らかになったとした。売上と直結する出荷増加率(表の黒線)も3年間の平均が0.57%で、やはり足踏み水準だった。

韓国経済

(青は雇用増加率、黒は出荷増加率、灰は生産増加率、赤は設備投資増加率)
中小製造業者の雇用・投資指標に至っては成長どころか減少傾向を示している。
雇用増加率(表の青線)は2012年4.2%、2013年2,4%と鈍化傾向を示し、2014年には▲0.1%で減少傾向に転じた。
投資指標である設備投資総額増加率(表の赤線)も、2011年9.3%から2012年には▲3.2%に下落し、2013年には▲13.6%に墜落した。
今回の商工会議所報告書は、統計庁が毎月8千社の中小製造企業を標本調査して発表する鉱業製造業動向調査を分析したもの。

 このような実績不振を反映して中小企業が体感している景気感触も良くなかった。 大韓商工会議所が中小製造企業300社を対象に韓国内の経済状況を尋ねた結果、「不況持続」という応答が56.3%で、「不況が底を打ちまもなく回復するだろう」という応答(43.7%)より多かった。
 
識者は、中小製造企業が、過去の外為危機前後には規模の拡大にもかかわらず収益性の悪化により困難を経験したとすれば、最近は収益性の悪化はもちろん成長性自体が下落するという二重苦を体験していると指摘している。

<500大企業の2014年業績>
 このような困難は、中小製造企業だけに限定されているわけではない。企業経営の成果評価サイトであるCEOスコアもこの日(5月20日)、韓国内売上高上位500大企業の経営実績(連結基準)を分析した結果、昨年の500大企業の売上は合計2,527兆9450億ウォン、営業利益は125兆7670億ウォンで、2013年基準の500大企業に比べ売上は▲4.4%(115兆8030億ウォン)、営業利益は▲10.2%(14兆3430億ウォン)それぞれ減ったことが明らかになったと発表した。

上位10大企業に限定すれば、売上が減ったのはサムスン電子、SKイノベイション、現代重工業、起亜自動車、GSカルテックス、韓国ガス公社の6社に達した。営業利益が減った企業もサムスン電子、現代自動車など7社だった。
このうち、SKイノベイション(▲2,310億ウォン)、現代重工業(▲3兆2,495億ウォン)、GSカルテックス(▲4,560億ウォン)の3社は営業利益が赤字に転落した。
以上、韓国ハンギョレ新聞参照

それでも、貿易黒字額は過去最大を更新続けている。原因は消費不振、内需不振、ウォン高、原油の大幅安に輸入額が減少し続け、輸出は若干減少したりしているものの、輸入の減少額が大きすぎ、破格の貿易黒字となっている。そのため、対ドルウォン高となっている。韓国のウォンは強い。
こうした内政の経済不満のうってつけのハケ口に日本が利用されている。それでも経済成長率は3.0%超あり、日本より経済は成長しているのが現実。

直近為替では

1円は9.0390ウォン=1ウォンは0.1103円(上記ウォン価に0.11円を掛けると概算値)
1ドルは1096.8600ウォン=1ウォンは0.0009ドル
 

[ 2015年5月21日 ]
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