アイコン 米モリコープ/民事再生申請 レアアース価格暴落

米レアアース最大手モリコープは25日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を連邦破産裁判所に申請したと発表した。
世界最大のレアアース生産国である中国の輸出政策の変更で、レアアース価格が大きく変動。大きな利益を見込んで踏み切った巨額の投資が価格暴落で回収できず、資金繰りが悪化した。
発表によれば、モリコープは17億ドル(約2100億円)に上る債務の再編に乗り出す。

主要債権者から最大2億2500万ドルのつなぎ融資を受けることで合意し、カリフォルニア州マウンテンパスにある世界最大規模のレアアース鉱山での操業は続ける。今年末までに破産法脱却を目指す。

モリコープは、鉱山から磁性体材料までをグローバルに一貫して手がける垂直統合型のサプライチェーン。13種類のレアアースとイットリウム、から最高6ナイン(99.9999%)の純度のカスタム材料を製造している。また6種類のレアメタル(ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、レニウム、ジルコニウム)は8ナイン(99.999999%)の高純度材料を製造、子会社のモリコープ・マグネクエンチ社では、ネオジボンド磁石製造に使用されるネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)磁粉の大手メーカーでもある。
日本では、2013年1月、三菱商事、大同特殊鋼との合弁事業を通じ、岐阜県中津川市の工場でレアアースを使った磁石の生産を開始した。今年に入り、合弁事業から撤退している。
以上、

レアアースは、尖閣問題を期に、大量に輸入していた日本に対し経済制裁、価格を高値に設定した上、その後も輸出関税MAX25%をかけ日米欧がWHOに提訴、この間、日本ではレアアースのリサイクル技術やレアアースの代参品開発、レアアースを使用しない製品開発など技術を進化させた。
一方、中国のレアアース生産者は、政策により価格が高止まりしたことから、大幅な設備投資拡大をはかり、生産量を拡大させた。
しかし、外国勢は高くなったレアアースの購入を控え、中国では在庫増に見舞われ、価格が暴落、工場施設も稼働率を悪化させた。

WHOも中国のレアアースの輸出規制にクロ判定、輸出税の撤廃などから日米欧の輸入価格は大幅に下落している。

モリコープとしてみれば、中国のレアアースの高値政策は続き、価格は高止まりすると判断して設備投資を行ったと見られるが、現実は、技術進化により輸入量を減らした日米欧、中国の在庫増から、いつでも暴落の可能性を秘めていた。中国のレアアース業界も実質経営破綻状態の生産企業も多く、現在国主導で再編が進められている。

[ 2015年6月26日 ]
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