佐川印刷（佐川急便の梱包材と印刷、年商１千億円）⇒「エスピータック」（タッグ・シール印刷）

資金流出先は、
元経理担当役員の知人男性が関与したシンガポールでの自動車レース運営資金などに約５４億円
元役員が代表だった別会社の運転資金に約１５．５億円
京都府南丹市にあるゴルフ場の買収資金に約７．２億円
モンゴルの金融機関の増資に関する資金に約４億円。

物流大手・佐川急便の梱包資材などを手がける印刷会社「佐川印刷」（京都府向日市）で、元財務・経理担当役員の男性（６１）が、昨年までの５年間にわたり、グループ会社の資金約８０億円を取締役会の決議を経ずに不正流用した疑いがあることが5月１日判明している。
同社は元役員を業務上横領容疑などで京都地検に告訴する方針。

佐川印刷によると、今年１月、グループ会社「エスピータック」（亀岡市）の口座から多額の資金が第三者に流れていることが外部からの指摘で発覚した。
社内調査で元役員の関与が分かり、不透明な出金は総額約８０億円にのぼっている。
元役員は調査に「将来の個人的な資金を確保しようと思ってやった」と釈明。その後、依願退職したという。

不正流用を知った佐川印刷は、資金の回収に着手。元役員の知人男性の会社が買収したゴルフ場運営会社の株式や元役員が所有していた京都市内のマンションなどについて仮差し押さえを京都地裁に申請し、４月までに認められたという。
＜元役員（６１歳）経歴＞
元役員は、建設会社の経営参画・不動産会社を佐川印刷と共同経営などし、１９８３年に佐川印刷に入社。２００３年にグループ全体の資金管理を担う財務・経理部長に就き、２０１２年から担当役員に。子会社の銀行印を自由に使える立場にあり、決裁権限を一手に握っていたという。山も海も知り尽くした胡散臭い人をわざわざ経理担当にしていた。

佐川印刷の月田豊二副社長は「チェック機能が働かず、資金の管理体制に甘さがあった。申し訳ない」としている。
京都市内に自宅がある元役員は、海外にいる可能性もあるという。

以上、

佐川印刷は、元証券マンの木下宗昭会長が１９７０年にキノシタ印刷を起こし、佐川急便創業者の佐川清氏に見初められ、佐川急便の梱包材や印刷業務を一手に引き受けるようになった。　１９７６年に佐川印刷に社名変更。佐川急便とは業務では密接な関係にあるが、資本関係はない独立した会社。

佐川急便創業者の（故）佐川清氏の子供は、栗和田榮一、佐川正明、佐川光氏。
こうした佐川印刷の不祥事に佐川急便の栗和田榮一会長は、激怒している可能性があり、佐川急便が発注する梱包材・タッグ・シールや印刷関係が佐川印刷から流動化するおそれもある。

東京佐川急便事件は、自由民主党・経世会の金丸信会長が、佐川急便側から5億円のヤミ献金を受領したとし、1992年10月に衆議院議員辞職に追い込まれた汚職事件だった。
　
佐川を巡っては過去からいろいろあり、禊を受けた佐川急便とは異なり、意外とその当時の佐川急便の影の部分を佐川印刷が引き継いでいるか、過去から尻尾を握られたままの可能性もある。

額が額だけに印鑑一つ自由になる役員の立場でも、そうたやすく動かせる額ではない。それも数年にわたって巨額が流出している。しかも、エスピータックの代表取締役会長や取締役には佐川印刷の木下一族が就任している。
また、政治資金スキャンダルになる可能性・・・。検察の本気度が試されよう。今の世、判明している分だけでチョンになる可能性が高い・・・。