当該の２つの会社は、全国の家庭に電話をかけ、断る客にしつこくカニの購入を勧めていたほか、「金賞を受賞したカニだ」とか「以前も商品を買ってくれた人に特別に連絡している」、実際にはそれが通常価格であるにもかかわらず、「３万円するところ、半額の１５，０００円でいいよ。」、「特別に４万円のズワイガニを１５，０００円にしています。」などと、特別の値引き価格であるかのように、商品の販売価格などについて、嘘の内容を告げていたという。全国の消費生活センターには、この２つの会社に関するトラブルなどの相談が、おととし以降、これまでに合わせて１３０件余り寄せられているという。
このため、消費者庁と関東経済産業局は、一度断った消費者に再び勧誘を行うことや、嘘の内容を告げて販売することを禁じた特定商取引法に違反したとして、２つの会社に対し、電話勧誘の業務を１０日から３ヶ月間停止する命令を出した。

１、（１）名 称：株式会社北一グルメ
（２）代表者：代表取締役 田中 裕樹
（３）所在地：
【登記上の本店】 ／札幌市中央区北一条西三丁目３番地 ばらと北一条ビル５Ｆ
【主事業所】 ／札幌市中央区南一条東二丁目１１番地４ 南一条タカハタビル７階
（４）資本金：１００万円
（５）設 立：平成２５年１２月６日
（６）取引類型：電話勧誘販売
（７）取扱商品：カニ等の海産物

２、（１）名 称：株式会社Ｋｙｏｅｉ
（２）代表者：代表取締役 森田 翔平
（３）所在地：札幌市中央区南一条東二丁目３番２号マツヒロビル7A
（４）資本金：５００万円
（５）設 立：平成２５年７月２６日
（６）取引類型：電話勧誘販売
（７）取扱商品：海産物（カニ等）

勧誘の「マニュアル」
今回、業務停止命令を受けた２つの会社では、電話勧誘に当たる従業員向けに、嘘の宣伝文句を告げたり、一度断った客に再度勧誘するためのマニュアルが作られていた。
このうち、「Ｋｙｏｅｉ」のマニュアルには、
会話の語り出しとして、「以前海産物のお届けでお世話になったご縁で電話しました」と、これまでに利用したことがある会社と思われるような会話から始めると記されている。

続いて、客に商品を勧める宣伝文句として、「今回、水揚げしたカニが、味や品質がよいため金賞を受賞しました。これを大特価で届けられます」と、嘘の内容が記されている。

そのうえで、勧誘を断る客を再度説得するための想定問答が用意され、
例えば、冷凍庫に入らないと断られたら、「足だけなので、家庭の冷凍庫でも場所をとらずに入ります」と答えることや、家族が少なく食べられないと言われたら、「冷凍で３ヶ月は持つので、食べたいときに少しずつ食べてください」と答えることなどが記されているという。

以上、
特殊詐欺商法も相手を信用させる詳細なマニュアルが存在する。会話をすれば必ず飲み込まれ、催眠術にかかったようにお金を振り込んでくれたり、持ってきてくれたりする。会話しないことが大事。