アイコン 中国 株価暴落の犯人探し 上海自由貿易区の複数企業を調査 暴騰暴落を検証

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中国当局は上海自由貿易区に拠点を置く複数の企業が規制の緩さを悪用し株式市場を操作した疑いがあるとし、こうした企業を調査している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
調査は非公開だとして関係者が匿名を条件に述べたところによれば、これら企業は資本移転を目的に越境取引をでっち上げた可能性がある。
幾つかの貿易会社が株式・先物市場を操作したとの疑惑に対する広範な調査の一環だという。
資本勘定の自由化に向けた取り組みを進める中国は、経済において市場の役割を高めるとの2013年の公約達成を目指しているが、最近の本土株急落と株価が操作されたとの疑惑は当局の市場介入を招いており、同国の改革ペースは鈍る可能性がある。
以上、ブルームバーグ

覆水盆に返らず
今回の暴落劇は、市場経済の極地ともいうべき証券市場に、国家が総動員をかけ、あの手この手を行使し、買い支えるという前代未聞の国家統制型証券市場を中国市場にもたらしめた。

<米新自由主義ハゲタカと中国共産主義守銭奴の戦い>
中国はあくまで共産主義国、自由主義経済の総本山の証券市場を導入すること自体が大間違いの始まりであるが、守銭奴国家の上前を撥ねようとアメリカが市場を導入させたもの。
そもそも中国で国家規制が強いネット関連企業などは、アメリカ市場に上場している株式を購入しても株主権限を行使できないという理屈がありながら新自由主義が共産主義を飲み込んだところに大きな問題を抱えたともいえる。

VIE=バリアブル・インタレスト・エンティティー(Variable Interest Entity)、エンロンやサブ・プライムローン問題で負債隠しに利用されたSPC手法が、中国企業がアメリカで上場する手法として利用されている。
言論規制が厳しい中国ネット関連企業が、米市場に上場するにはSPCを設立、当該SPCは中国国内でWFOE(外国人保有会社)を設置する。そのWFOEが中国企業を支配するものであるが、あくまで間接企業統治であり、株主の権限は直接的にはないのが実態。
こうして巨額の大枚を手にしてきた中国政権は、軍事強化にのめりこみ、南シナ海の南沙諸島ではアメリカと軍事対峙する関係にまで国富を高めた。 

<国家による暴落の歯止め>
今回の上海や深圳の株式市場の暴落過程では、上場企業の約半数が自ら売買停止に持込み、当局は5%以上の株主の売買禁止措置を取るなど手荒な手法を用い、暴落を食い止めた。
ここまでくれば、中国証券市場は国家により株価が統制され、保証されたようなもの、上がることが約束されていることになる。株価が高ければ、当然、世界の企業をM&Aで調達し、国が目的とする最新技術なりブランドを国内に導入することが可能になる。

一方、中国当局は、暴落の犯人探しをすると公表していた。よほどのことでは愚の骨頂、中央政府は地方政府も含め政府の方針に反対するものは反政府勢力とみなし、弁護士だろうが誰であろうが、しょっ引くことを仕事にしており、罠やおとり・捏造など何でもありで捕まえており、今回も簡単に相手を搾り出したことだろう。そして、犯罪を認めさせる技を行使しよう。

<株価の整合性>
 しかし、実体経済は、金融緩和を何回やろうが、株価がバブル化する状況にはない。所詮、株価は実体経済に整合していく。その指標の一つが、上場企業の株価収益倍率であり、市場全体の倍率である。1株あたり利益の20倍までは許容範囲内と見れば・・・。

上海総合指数はピークの6月12日にはPERは21倍で調整局面入りの株価まで上がっていたが、深浅は78倍に達していた。今回の株価暴落は新興企業の多い深圳の総合指数のPERが買われ過ぎと判断され、上海ともども暴落したように見える。だが、共に金融緩和の昨年11月から上がり始め、今年になりその勢いを増し、急激に上昇したため、その反動での暴落と見るのが正解だろう。

当然過度に上がった株はよほど好材料や成長性などが見込まれない限り、落ち着くところに落ち着くまで下がる。それが昨年11月~今年6月の短期間に上海総合指数は2.5倍に駆け上がった株価の顛末といえる。
しかし、国の各種経済指標が金融緩和に改善の明るさも見られず、上がり過ぎた株価の反動から、我先に売り浴びせた結果、3週間で今度は3割の暴落となり、国家介入となった。
当然、投資家の信用買いも大きく、早期に手仕舞いしなければ、損失が拡大するという信用取引のワナも、一目散に見切り売りした結果の暴落でもある。

<実体経済>
中国の4~6月のGDPは、7.0%と発表されているが、1~6月の上半期でも7.0%だった。
その7.0%増の原動力はサービス産業の第3次産業が8.4%増と7.0%増をクリア、中でも金融セクターは17.4%も上昇していた。

当然、株価は金融緩和から上昇局面にあり、金融市場は盛況に推移した結果と見られる。
不動産市況も株価に刺激され、すでに深圳では前年同月比15.7%も上昇だが、6月は5月に比し1ヶ月間で7.1%も上昇しており、バブル以外の何ものでもない(国家統計局発表値)。
しかし、不動産業界における新築住宅の主要70都市の価格指数はまだ下落しており、GDPは3.3%の上昇にとどまっている。金融セクターの17.4%の上昇は、主に証券・債権や不動産にかかわる金融が活発に動いた結果と見られる。鉱工業の製造セクターは6.0%増で、GDPの伸び率を押し下げている。

今回の国家による証券市場介入により、外資投資機関による中国株式市場の信頼性は損なわれたと思われるものの、証券市場は、外資投資機関もハゲタカ、中国の守銭奴と外資ハゲタカの化かし合いであり、現実の証券市場の健全性などの問題は別のところにある。

今後の不動産価格については、国家介入により株価暴落が踏みとどまったため、これまで下がり続けた不動産価格の安心感から、また、証券市場からの資金流入も含め急回復する可能性もある。一方、不動産価格も深圳に見られるようにすでに高騰しており、手仕舞いする投機家も多くなることもありえることから回復が鈍化する可能性もある。
中国の株式市場や不動産市場は、上海より、深圳の方が激しく変動しており、今後は深圳の動きを注視していく必要があろう。

中国GDP 2015年上半期(1~6月) 速報
 
生産額/億元
前年同期比
GDP
296,868
7.0%
第1次産業
20,255
3.5%
第2次産業
129,648
6.1%
第3次産業
146,965
8.4%
 
 
 
農林水産業
21,002
3.6%
鉱工業・製造
111,500
6.0%
建築業
18,796
7.0%
卸・小売業
27,123
6.1%
輸送・倉庫・郵便サービス
14,416
4.9%
ホテル・サービス業
5,111
5.4%
金融
27,757
17.4%
不動産業
19,796
3.3%
その他
51,368
8.9%
中国国家統計局版 1元:19.9713円
中国の金融緩和策の実施
 
基準金利
預金準備率
 
6.00
20.00
2014年11月22日
5.60
 
2015年2月5日
 
19.50
2015年3月11日
5.35
 
2015年4月16日
 
18.50
2015年5月11日
5.10
 
2015年6月12日
株価ピーク
2015年6月28日
4.85
農業・中小企業向け銀行0.5%下げ
 
[ 2015年7月22日 ]
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