8.4%の急落 再び怪しくなってきた中国証券市場?
今回の株価指数の急落は、中国証券金融は株価下支え策として、商業銀行から借り入れた資金の一部を返済し始めたとの情報である。中国当局の買い支えが当面終了したことを意味する。
政 府批判逮捕・情報隠蔽・人権侵害の中国共産党独裁政権は、少々腐ったとしても7%の経済成長率を達成している(上半期)。しかし、目の前の資本主義の権化 である証券市場は、「株は株に聞け」の諺どおり訳のわからない世界、それでも国の経済指数が伸びていれば、それなりに上昇するものだが、発表される数値が ことごとく低迷しており、自ずと下げに動くのは必然、今回の上昇局面の主役は4度にわたる金利下げによる金融緩和策であったが、外需は世界経済低迷で世界 の工場を自負する輸出は伸びず、内需は金融緩和策が功を奏して不動産が若干上昇しているものの昨年比ではまだ下げている段階、ほかの消費関連に明るさも見 られない。
そうした現実の国内経済に株価指数は昨年11月から金融緩和で急上昇してきたものの、笛吹けど踊らずの経済に6月12日を境に株価指数は急激に下げてきた。
6月末から株価刺激策を講じたもののさらに悪化、7月8日にはピークから3割以上下げ、政治体制特有の管理株価に移行、5%以上の大株主の売買禁止、上場企業の半数が自ら取引停止、証券会社や基金が買い支えに動き、暴落の犯人探しまで行い貿易会社が捜査を受ける始末。
こうした国家による成果により直近の最安値から23日には17.5%上昇させ4,123.92ポイントを付けた。
当局は国家統制の株価をどこに落ち着かせるのか世界が注目する中、直近ピークから▲20%下げの4000~4100ポイント説が有力説に、ほかには5000ポイント説までさまざまな数値が飛び出した。
しかし、現実の投資家は損失の拡大をさせたくなく、戻り高は絶好の売り場局面を提供し、7月27日の株価はその機会を提供してしまったようだ。
投資家の不安心理は除去されておらず、売りに売りありのとおり下げ一色に。中国守銭奴より一枚も二枚も上手で百戦錬磨のハゲタカヘッジファンドも参戦しており、落ち着く先が再び見えなくなってきた。
こうした中国の証券市場の上げ下げが、アメリカが講じた戦略・策略ならば、アメリカはまさにカミの領域にいたる。
人権弾圧や政府批判弾圧の独裁国家も、証券市場の市場任せの自由放任主義による短期間の上げと下げの喜怒哀楽には付いていけなかったようだ。
しかし、したたかな中国、経済が低迷している中、金融緩和策により、昨年10月末を起点にする株価指数は27日でも、上海で53.9%高、深センで60.0%高にあり、果実はちゃっかり獲得している。新技術やサービス産業の獲得のための海外企業のM&A取得に向け、各企業の時価総額をしっかり押し上げさせている。
しかも、7月9日から実施された5%以上の株主の半年間の株売却禁止措置が解除されない限り、国家による管理株価は免れない。
(5%禁止以外、株価押し上げ政策を取る日本政府による三大年金基金+αの株投資枠増加政策も似たようなものであるが・・・桁が中国より1桁違う多さだ)
上海総合指数推移
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日
|
終値
|
前日比
|
前日比
|
最高差率
|
2015/7/27
|
3,725.56
|
-345.35
|
-8.48%
|
-27.89%
|
2015/7/24
|
4,070.91
|
-53.01
|
-1.29%
|
-21.20%
|
2015/7/23
|
4,123.92
|
97.88
|
2.43%
|
-20.18%
|
2015/7/22
|
4,026.05
|
8.38
|
0.21%
|
-22.07%
|
2015/7/21
|
4,017.68
|
25.57
|
0.64%
|
-22.23%
|
2015/7/20
|
3,992.11
|
34.76
|
0.88%
|
-22.73%
|
2015/7/17
|
3,957.35
|
134.17
|
3.51%
|
-23.40%
|
2015/7/16
|
3,823.18
|
17.48
|
0.46%
|
-26.00%
|
2015/7/15
|
3,805.70
|
-118.79
|
-3.03%
|
-26.34%
|
2015/7/14
|
3,924.49
|
-45.90
|
-1.16%
|
-24.04%
|
2015/7/13
|
3,970.39
|
92.59
|
2.39%
|
-23.15%
|
2015/7/10
|
3,877.80
|
168.47
|
4.54%
|
-24.94%
|
2015/7/9
|
3,709.33
|
202.14
|
5.76%
|
-28.20%
|
2015/7/8
|
3,507.19
|
-219.93
|
-5.90%
|
-32.11%
|
2015/7/7
|
3,727.12
|
-48.79
|
-1.29%
|
-27.86%
|
2015/7/6
|
3,775.91
|
88.99
|
2.41%
|
-26.91%
|
2015/7/3
|
3,686.91
|
-225.86
|
-5.77%
|
-28.64%
|
2015/7/2
|
3,912.77
|
-140.93
|
-3.48%
|
-24.26%
|
2015/7/1
|
4,053.70
|
-223.52
|
-5.23%
|
-21.54%
|
2015/6/30
|
4,277.22
|
224.19
|
5.53%
|
-17.21%
|
2015/6/29
|
4,053.03
|
-139.84
|
-3.34%
|
-21.55%
|
2015/6/26
|
4,192.87
|
-334.91
|
-7.40%
|
-18.84%
|
2015/6/25
|
4,527.78
|
-162.37
|
-3.46%
|
-12.36%
|
2015/6/24
|
4,690.15
|
113.66
|
|
-9.22%
|
7年半ぶりの高株価
|
|
|||
2015/6/12
|
5,166.35
|
上昇率
|
|
100.00%
|
2014/10/31
|
2,420.17
|
2.13倍
|
|
|
激しい深セン総合指数の動き (新興企業が多い)
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|
指数
|
前日比
|
前日比
|
ピークから
|
7月27日
|
2,160.89
|
-162.61
|
-7.00%
|
-31.20%
|
7月8日
|
1,884.45
|
|
|
-40.00%
|
6月12日
|
3,140.66
|
|
10月から⇒
|
2..32倍
|
2015年2月9日
|
1,489.39
|
|
|
|
2014/10/31
|
1,350.49
|
|
|
|
中国のGDP(実質)
|
||
2010年
|
10.41%
|
|
2011年
|
9.30%
|
|
2012年
|
7.76%
|
|
2013年
|
7.75%
|
|
2014年
|
7.40%
|
24年ぶりの低率
|
2015年第1四半期
|
7.00%
|
|
2015年第2四半期
|
7.00%
|
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