アイコン 盗難の国重文名刀「来国次」、現所有者と美術館が所有権争いの訴訟

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山形県上山市の美術博物館「蟹仙洞」から1991年に盗まれ、所在が分からなくなっていた国指定重要文化財とされる日本刀3振りが、大阪府内で見つかっていたと山形新聞が報道している。
大阪府内の刀剣研究家が代表取締役を務める企業が古美術商から購入したという。

この研究家は、鶴岡市の旧庄内藩酒井家から約30年前に盗まれ、同じく行方が分からなくなっていた重文の日本刀を所有している人物でもある。
再び「至宝」の所在が明らかになったものの、今回は所有権をめぐって蟹仙洞とこの企業の間で民事訴訟となっている。

蟹仙洞が盗難に遭った3振りは、いずれも太刀。
鎌倉末期の「来国次(らいくにつぐ)」
南北朝時代の「備前国長船住長義(びぜんのくにおさふねのじゅうながよし)」
南北朝時代の「備前国長船兼光(びぜんのくにおさふねかねみつ)延文元年十二月日」。

1991年6月、同館からこの3振りのほか、県の文化財の太刀など刀剣計12振りが盗まれた。
この盗難事件をめぐっては、岐阜県の記念品販売業者らが摘発され、窃盗罪で実刑判決を受けている。
訴状や蟹仙洞の代表理事によると、昨年10月1日刀剣情報を入手し、その登録証をファクスすると研究家から電話があった。その後、研究家側に返還を求めたが応じなかったため、今年5月、山形地裁に提訴した。すでに第1回口頭弁論が開かれており、被告側は請求棄却を求め、争う姿勢を見せている。

酒井家から1986(昭和61)年に盗まれ、現在、この企業が所有している日本刀は「備州長船住元重(びしゅうおさふねのじゅうもとしげ)」。

被告側は答弁書で、研究家は一般財団法人「日本刀剣博物技術研究財団」を設立し、日本刀の保護・保存のための技術開発、盗難刀剣の回収への協力、無償貸し出しなどを行っていると主張している。
被告の代理人弁護士は「不当な請求。(所有が)法的には被告側にあることは明らかだ」としている。
以上、

裁判で、当該の企業の研究家が、誰から購入したのか、その者は誰から購入したのかを追及していけば、おのずと骨董品の密売ルートが判明する。
当該の研究家も「日本刀剣博物技術研究財団」を設立するくらいの人物ならば、当該3振りの刀が盗難にあっていたこともわかっていたはずだ。特に太刀「来国次」は昭和6年に国の重文に指定されており名刀でもある。それも当該の研究家は盗難品の名刀「備州長船住元重」も所有している。
当然、こうした盗難品の名刀の数々は裏ルートでしか購入できないはずだ。

なお、山代国の来派一門の「来国次」作の名刀は、
国宝の短刀「銘 来国次」(個人蔵)
国重要文化財の(1)太刀 銘来国次(山形・蟹仙洞) 前田家伝来、1991年盗難
(2)太刀 銘来国次(個人蔵)徳川将軍家伝来
(3)刀 金象嵌銘来国次本阿(花押)(個人蔵)
(4)脇指 銘来国次(個人蔵)がある。


盗難の国重文名刀「来国次」

[ 2015年10月28日 ]
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