アイコン 遺伝子組み換え種子のモンサントの顛末 独BASFへの身売り GM品種

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<アメリカでも食用小麦はGM種禁止>
少 なくともアメリカでは20年前から、食用小麦以外はすべて遺伝組み換え種子(GM種)による作物・穀物が生産されている。ただ、20年も経つが主食となる パンの原料である小麦は安全面から、今だ遺伝子組み換え種子による栽培は許可されていない。・・・何を物語っているのだろうか。

米国の農場に20年前に登場して以来、遺伝子が人工的に操作されるようになった種子。今では、大豆・とうもろこし・綿花・テンサイ・ナタネ・かぼちゃ・アルファルファ・パパイヤなどのほか飼料用小麦なども生産され、日本へ輸入されている。

科学者は、種子の中に、害虫を寄せ付けず、強い除草剤を浴びても生き残り、少ない水でも生き延び、飽和脂肪の少ない油を作り出す遺伝子を組み入れてきた。
モンサントは、そうした遺伝子組み換え種子を一代種子にしてしまい、農家はその都度、種子や農薬を買い続けることになった。

<モンサントのラウンドアップで多剤耐性雑草出現さす><除草剤・発がん性の嫌疑>
世界で一番使用される除草剤のラウンドアップは、日本でも広く行き渡っているが、アメリカではラウンドアップを使用し過ぎることから、除草剤に対して耐性を持った多剤耐性雑草が広く植生するようになってしまった。
最近では、ラウンドアップの主成分グリホサートは、動物実験で発がん性が証明され、国際がん研究機関(IARC)が2016年3月20日、注意喚起している。
 
因果関係は不明だが、インドでは綿花栽培において、モンサントのGM品種と農薬が急激に普及している。しかし、なぜか自殺者が急増しているという。
イギリスのモンサントの製薬工場内にある社員食堂を運営している会社は、従業員に提供する食事には遺伝子組み換え食品を一切使用していないと報告している。

<GM種で豊作続き価格下落、農家の採算性悪化招く>
モンサントはこれまで、遺伝組み換え種子(GM)ビジネスをモデル化させ主導、種子と農薬のパッケージ販売(セット販売)で巨額の利益を出し続けてきた。
しかし、GM品種の世界への作付けが拡がり、最近では自然に逆らい不作もなくなり、豊作が続き、作物・穀物価格が下落、農家の採算性が悪化してしまった。農家がGM種子を使用することで生産性が上がりボロ儲かりするというモンサントの提案根拠が崩れてしまった。(あまりにも世界に普及させた結果で自業自得)

折から、アメリカでも遺伝子組み換えのない種子によるオーガニックの天然作物がもてはやされ、高値で取引されている。

<モンサントの財務内容急激に悪化>
そうしたことからも、モンサントの組み換え種子や農薬の需要者が減少、モンサントは、落ち込みをカバーするため輸出に力を入れているが、輸出コスト高(新興国や東欧で安く販売し普及させる必要性あり)、企業買収、研究開発費の増加などにさいなまれ、業績は停滞を続けている。それに加え、自己資本を大幅減少させ、借入金が増加、財務内容を急悪化させている。

こうした事情からか、同社は、独の巨大総合化学メーカーのBASFに対して、450億ドルで身売りすると発表した。
しかし、両者が合併すれば、競合している分野も多く寡占状態に至り、関係各国がこのまま合併を認めるかは不透明となっている。

<欧州は>
欧州では、遺伝子組み換え作物の販売や使用の表示をスーパーやレストランなどで義務付け、フランスでは作付けも規制している。

<日本は>
日本では、大豆、とうもろこし、ジャガイモ、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜やパパイヤの8種類の農産物と、これを材料とする33種類の加工食品だけ表示することが義務付けられているが、醤油や油・味噌などには表示義務はない。食用の米国産米や飼料用の小麦・とうもろこしなどには表示義務はない。日本は食糧輸入大国でもある。
日本のTPP締結の動きに、モンサントににじり寄り提携したのは守銭奴で有名な住友グループの住友化学(提携は前経団連住友化学会長時代)であった。

2014年の輸入額8,222億ドルのうち食料品の輸入額は約8.0%。日本はカロリーベースで農畜産物の6割を輸入に依存している。
モンサントがGM種で餌付けしたアメリカ・ブラジル・アルゼンチン・チリ・ウルグアイなどは大豆・とうもろこしが多く、綿花などはインドや中国・豪・中南米に多い。
米国は、世界最大のGM種の作付国であり、大豆は作付面積の93%(米国含む世界では79%)、とうもろこしは90%(同世界では32%)

日本は常に、自動車輸出の対価としてアメリカ様から輸入を迫られ、言われるがままに譲歩し続けてきた歴史を持っている。TPPに全面反対するものではないが、こうした遺伝子組み換え作物や穀物が、いずれ大量に輸入されることになることは間違いなく、危険性を感じざるをえない。
米国産カルフォルニア米などのアメリカ産米はGM種で、日本で販売されるに当り、現状原産国表示はあろうが、GM品種であることは記載されていない。日本の主食である米であり、こわっ。
 

モンサントの業績推移
連結/百万$
13/8
14/8
15/8
売上高
14,861
15,855
15,001
営業利益
3,570
4,075
3,523
税引前利益
3,429
3,827
3,161
当期利益
2,482
2,740
2,314
総資産
20,664
21,981
21,920
自己資本
12,559
7,875
6,990
資本金
6
6
6
有利子負債
2,061
7,528
8,429
自己資本率
60.8%
35.8%
31.9%

 

[ 2016年9月19日 ]
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