アイコン 「エンテロウイルスD68」原因か 不明の麻痺115人、夏風邪、手足口病 EV

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国立感染症研究所は、昨年夏以降、原因不明の麻痺(まひ)が起きた子どもが相次ぎ、一部の患者から「エンテロウイルスD68」が検出された問題で、麻痺の症状が出た患者が115人いたことがわかったと報じた。

国立感染症研究所によると、115人は子どもを中心に33の都と府と県で、昨年8月から12月の間に手足などに原因不明のまひの症状が出て入院していたという。現在も、麻痺が残っている人が多くみられる。

一部の患者からは「エンテロウイルスD68」が検出されていて、エンテロウイルスが流行していた昨年9月に麻痺が起きた人が多かったという。

厚労省の研究班は、エンテロウイルスとの関連を詳しく調べるとしていて、発熱などが出た後、手足が動かしにくい症状がでたら、医療機関を受診してほしいと呼びかけている。

エンテロウイルス(EV)
エンテロウイルスは、腸管内で増殖する腸管ウイルス、ポリオ、コクサッキー、エコーの各ウイルスを含むが、新たに発見されたものについてはEV68~71, 73と命名されている。
日本の手足口病患者から検出されるのは主としてコクサッキーA16とエンテロウイルス71。

EVは経口あるいは糞口感染する。エンテロウイルス71の中枢神経合併症(無菌性髄膜炎、脳炎)には重篤なものがあるので注意を要する。ウイルスは胃液の強酸や膵液のアルカリで死滅することなく消化管(特に腸)の中で増殖する。
幼児や子供が感染しやすい。

<症状>
感染しても何の症状もない人が多い。症状が出る場合、かぜ症候群やインフルエンザ様症状を起こすこともある。
子どもの夏カゼの代表としてよく知られる手足口病、ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルスの一種が原因となって起こるウイルス性疾患。夏かぜの代表的疾患)を起こす。

エンテロウイルス感染症の症状は,非特異的発熱が最も多く,時に手足口病,ヘルパンギーナ,発疹症,無菌性髄膜炎,急性出血性結膜炎などの特異的病態を呈する.
まれに,脳炎・脳症,ポリオ様麻痺性疾患,心筋炎・心膜炎,流行性筋痛症,肝炎などを呈することもある.

<予防>
日常生活においては、手洗いの励行と食肉が汚染されている場合はよく火を通してから食べる。 症状が回復しても便の中に長期間にわたってウイルスが排出されるため、お手洗い前後の手洗いはしっかり行う。また子どもが感染した場合はオムツやパンツな どウイルスがついている可能性の高いものの処理は適切に行う[4]。
予防ワクチンはまだ開発中。

<EV-D68>
EV-D68はエンテロウイルス属のウイルスの一つ。エンテロウイルス属には、ポリオウイルスや、無菌性髄膜炎の原因となるエコーウイルスや手足口病の原因となりうるエンテロウイルス(EV)71型などが含まれる。
エンテロウイルス属は、さらに分子系統解析によりEnterovirus A~JおよびRhinovirus A〜C (species)に分類され、EV-D68はEnterovirus Dに属する。

また、EV-D68のウイルス学的性状は、エンテロウイルス属に属し、かぜの原因ウイルスとして知られるライノウイルス(Rhinovirus A〜C)に類似している。
EV-D68に感染し発症した場合、発熱や鼻汁、咳といった軽度なものから喘息様発作、呼吸困難等の重度の症状を伴う肺炎を含む様々な呼吸器疾患を呈する。

なお、弛緩性麻痺を発症した患者の上気道からEV-D68が検出された事例が、欧米や日本などから報告されており、弛緩性麻痺患者の一部におけるEV-D68感染との関連が疑われている。(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
 

[ 2016年8月30日 ]
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