アイコン 長崎新幹線はFGTの実験線 北陸延線はフル規格へ 九州新幹線長崎ルート

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九州新幹線 長崎ルート(別称:長崎新幹線、九州新幹線西九州ルート)
区間:博多駅(九州新幹線駅・既設フル軌道)から新鳥栖駅(在来線軌道)~武雄温泉駅(新線フル軌道)~長崎駅まで
実際の新幹線専用線路は、新鳥栖駅から長崎駅までの117㎞区間のうち、武雄温泉駅~長崎駅間の66キロ。

開業計画:FGT規格で2022年開業予定(FGT間に合わず暫定開業決定)⇒FGTで2025年にフル営業予定に変更⇒遅れそう???
乗客:博多からFGTに乗車し長崎へ、九州新幹線新鳥栖駅からFGTに乗車し長崎へ
ただ、九州新幹線鹿児島ルートにあるような博多以北への直通列車構想は現状ない。車体の軽量化をはかり時速300キロ以上出せなければ、博多以北の大阪・東京への直通路線は、既存新幹線の邪魔になり、また、レール負担も高くなりコスト増を招くことから考えていないとのこと(JR西日本見解)。

<<FGT(軌間可変電車、フリーゲージトレイン、Free Gauge Train)>>
長崎新幹線の軌間:114.7km(営業区間、新鳥栖駅から長崎駅まで)

<軌道間内訳>
新鳥栖駅~武雄温泉駅:1,067mm(在来線の狭軌道、狭規格)、51km
武雄温泉駅~長崎駅:1,435mm(新幹線標準軌道、フル規格)、66km

<電化方式>
新鳥栖駅 - 武雄温泉駅:交流20,000V (60Hz)
武雄温泉駅 - 長崎駅:交流25,000V (60Hz)
パンタグラフや制御機器の対応開発が必要

<トンネル>
合計31トンネル、計40,670メートル(約40km)
佐賀県側に5,705mの俵坂トンネルをはどめ計9トンネルの合計9,581m
長崎県側に7,400mの新長崎トンネルをはじめ計22トンネル合計31,089m

<FGTの開発問題>
車軸等磨耗問題および車両費用(在来の新幹線車両価格の2.5~3.0倍)
現行、FGTは、車輪が左右に動き、新幹線と在来線の両区間を走行できる車両で、国主導で開発中。新型の試験車両を用いた耐久走行試験が2014年10月に九州で始まったが、翌11月には車軸に摩耗が見つかり、約2年間中断したままとなっている。

2016年(今年)5~8月まで改良した台車を用い、室内での検証試験を実施していた。しかし、
時速130〜270キロで走行距離4万5千キロ相当の回転をさせる中、実際の走行時の振動を想定して荷重を掛けた試験で摩耗が発生。時速270キロの高速回転では、一部で不安定な動きも確認された。さらに不具合への対応で、想定される維持管理費用が上昇。既存の新幹線の2.5倍から3倍程度に達する見通しで、車両コスト高で採算面でも実用化にめどが立っていない。

<2025年のFGT開業目指す>
国交省とJR九州は、室内試験で上記のような問題が発生しているにもかかわらず、12月から来年5月まで実際の軌道上で走行試験を行い、同6月ごろに技術評価委員会を開き、不具合の改善状況やコスト低減の見通しを検証し、耐久走行試験を再開できるか判断するという。
こうしたことから、現在のところ2025年春のFGTでの全面営業走行の変更はしないとしている。しかし、室内試験で問題が生じているものを実走試験するとは無謀としか言いようがない。(見
切り発車させる可能性もあるが、コスト増や部品破壊が生じ危険性もある・・・)

長崎ルートは、当初予定の2022年度の開業時から博多−長崎をFGTで走る計画だったが、走行試験の長期中断で断念。佐賀県の武雄温泉駅で新幹線と在来線を乗り継ぐ「対面乗り換えのリレー方式」で当初予定通りでの2022年の暫定開業が決定している。

国交省は2025年春に全ての列車がFGTによる全面開業を目指しているが、実現は上述のとおりとなっている。

<長崎新幹線=九州新幹線長崎ルート>
1999年(平成11年)、長崎ルート決定
2012年(平成24年)6月、FGTでの工事着工認可
2014年(平成26年)11月、耐久走行試験開始
2014年(平成26年)12月24日、耐久走行試験中止
2016年(平成28年)11月、国交省は、今年中に再開予定だった耐久走行試験を2017年度(2017年4月~2018年3月)に先延ばしすると発表した。

<2014年12月の耐久走行試験の一時休止発表時の問題点>
2014年11月29日までに、約400回の軌間変換を行い、約3万3,000kmを走り込んだが、一部の台車を確認した際に、スラスト軸受のオイルシールに部分的な欠損が発生し、すべり軸受と車軸の接触部に微細な磨耗痕も確認された。そのため、必要な対策の検討をはじめ、初期段階での部品点検のための詳細調査を実施することになり、その間の走行試験を見合わせることが決まった。
 (FGTは低速走行では四国で実用化されているが、現状270キロとされる高速走行では問題があるようだ。)

<地元自治体の動き>2016年11月段階
なお、路線が通る長崎県と佐賀県では、長崎県側は全線フル規格による早期開業実現を現在でも訴えているが、佐賀県側は負担だけが増加し、メリットが少ないため、長崎県側に乗じていない。長崎県側か国が佐賀県側の負担増分を負担すれば、佐賀県としては国に対して共同戦線をはる意見もある(FGT区間は佐賀県側だけに計画されている。フル規格では新軌道が佐賀県で必要となり、大きな公共投資が生じ、佐賀県の土木業界も大喜びする)。

ただ、国交省としては、在来線を利用でき、大幅に開発費が抑えられるFGT型整備新幹線を全国へ普及させるため、高速走行可能なFGT方式を長崎新幹線で完成させる強い意向がある(ただし、予算を司る国交省・財務省とイケイケドンドンの政権の考え方には大きな隔たりがある)。

なお、フル規格の博多-長崎間の所要時間は1時間20分、FGTでは1時間26分、現行特急列車では1時間55分であり、景気対策の公共投資と新幹線効果の客寄せパンダの狙いと見られる。

<総投資額は5000億円>全線フル規格の場合1000億円さらにかかる。
総投資額については、その後建設費高騰でどれほど増加しているのかは不明
2012年6月当時、事業費は在来線の肥前山口~武雄温泉の複線化事業と、FGTが乗り入れる新鳥栖駅のアプローチ線整備を含めて約5,000億円で、佐賀県の負担は約225億円と見込まれていたが、その後、どれほど建設総予算が膨張しているかは不明。
全線フル規格にした場合、最低でも1,000億円かかるとされる。

総建設費の1/3が地元負担となるが、実質負担額はJR九州分を除くことから、5000億円の18.3%に当たる917億円。そのうち佐賀県が225億円(24.5%)負担し、残る692億円を長崎県が支払うことになっている。
全線フル規格とした場合、地元負担分の333億円が新たに増加する。国が全額サービスしてくれない限り、長崎県と佐賀県が負担することになる。原則、負担は工事箇所基準となっており、ほぼ全額佐賀県に負担増が生じることになる。

<北陸新幹線延長工事では・・・>フル規格へ
北陸新幹線の金沢以西の敦賀間(当初2025年度開業予定⇒前倒しの2022年度開業確定)では、当初予算面からFGTで決定していたが、現政権の鶴の一声で開業が3年前倒しされたため、JR西日本はFGTでは間に合わないとして、フル規格での運行を表明している(JR西日本もFGTの開発を2014年から行っていた)。
また、敦賀からのルートは未定だが、小浜から京都へ至るルートがゼネコンの後押しもあり、最有力候補となっており、また、全線新線のフル規格となる。
結果、金沢から京都まで全線フル規格(実際には敦賀-小浜間には在来線49.5K区間が存在するが全線単線、ただし、ここだけ複線化で対応すれば別だが非現実的)。総投資額も2兆0,700億円と試算されている。
なお、総投資額については、今年6月福井県議会が、小浜~京都ルート(最短距離試算)が1兆3,600億円、舞鶴経由ルートは2兆0,400億円かかると公表している。国と福井県との違い過ぎのいい加減さに笑いがこぼれるのだが・・・。
また、一番コストもかかり、費用対効果も薄いとされる舞鶴ルート(2.5兆円))が急浮上している。当然、山陰新幹線構想からだ。

国交省主導でFGTの技術開発が行われている。しかし、実際はJR西日本とJR九州は別々に開発に当たっている。これでは開発技術が分散し、できるものもできないだろう。

参考意見:
どこまでも膨らむ国の借金、数兆円増えたところで何も変わらない。政権はポピュリズムを最大限に利用しており、日本は国の借金が・・するまで早期に高速道を全国に張り巡らせ、整備新幹線もけち臭くFGTにせず、フル規格やリニアで全国中をくまなく走らせるのが地元=国民の要望でもあり一考かと思われる。今の政権だったらデキル。
(下記図では、山陽新幹線直通乗り入れは可能とされているが、あくまで可能であり、上述のとおり、博多からの上り線を運行するJR西日本は、時速270キロでは邪魔、重たいことから線路の傷みも早く、コスト増になるとして運行を否定している。)


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[ 2016年11月21日 ]
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