アイコン アサヒ 東欧5ヶ国のビール事業買収・9千億円  ABI傘下英SABミラー東欧事業

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アサヒグループホールディングスは13日、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)と東欧5カ国のビール事業買収で大筋合意した。
買収額は9千億円規模に上るとみられ、日本企業による海外ビール事業買収としては過去最大。アサヒは10月に西欧の老舗ブランドを3千億円で買収しており、相次ぐ巨額買収で欧州に足場を築き、海外展開を急ぐ。
アサヒヨーロッパのヘクター・ゴロサベル最高経営責任者(CEO)は、元SABミラーの幹部であり、問題ないだろう。

<世界シェア3割の企業>
アンハイザー・ブッシュ・インベブ (Anheuser-Busch InBev) は、ベルギーの酒類メーカー。
2008年、ベルギーのインベブが、バドワイザーで知られるアメリカのアンハイザー・ブッシュを買収・合併し、社名変更、CEOにはインベブCEOのカルロス・ブリトが就任。買収総額は約5兆8000億円で、ビールメーカーの買収では過去最大規模。ビールのシェアは25%で世界一、売上高も270億ユーロ(約3兆6000億円)で世界一である。また、EBITAは世界の製造業の中でも5番以内に入る。その後も買収し続けている。
2012年、メキシコのグルポ・モデロの未保有株を201億ドルで取得し、完全子会社化した。
2016年10月には英SABミラーを201億ドルで買収した。
アンハイザー・ブッシュ・インベブのビール飲料世界シェアは3割に達する。

<アサヒ・10月の西欧3千億円買収記事>
アサヒグループホールディングスが出遅れた海外事業をテコ入れする。10月に買収したイタリアの「ペローニ」など欧州4社との協業戦略を24日に発表。
2018年に「スーパードライ」を現地生産し、買収先の販路を使って拡販する方針を打ち出した。国内首位で満足する「内弁慶」の体質からどう脱却するか。その道筋を欧州老舗ブランドとともに探る。
 「海外事業をグループの成長エンジンにする」。小路明善社長は都内での記者会見で強調した。
国内シェアは4割だが、15年12月期の海外売上高比率は約13%。

キリンホールディングスやサントリーホールディングスの3~4割に遠く及ばない。
これを引き上げるために、3千億円の巨費を投じて手に入れたのが英国の旧SABミラー傘下の4社だった。
 ただ、海外ブランドで収益を底上げするのが目的ではない。狙いは日本でしか強みを出せていないスーパードライの海外展開。
新設した買収先の統括会社に現地の人材を中心にした専門マーケティングチームを設置。
ペローニなどが持つ現地工場でスーパードライの生産を始め、イタリアとオランダで販売を始める。

 16年のスーパードライの海外販売数量は1千万ケース弱の見込み。韓国では売れているが、このうち欧州は1割にすぎない。アサヒにとって空白地のイタリアやオランダを攻めれば、欧州販売量は早期に倍増できるとみる。
 手本はやはりイタリア首位のペローニ。高級ビールとして認知度が高い。50ヶ国以上に売り、売上高の半分をイタリア以外で稼ぐ。アサヒが簡単に入り込めない飲食店ネットワークを持つ。

 ペローニは、メーカーが地続きで乱立する欧州で安売りを避け、ブランドを浸透させてきた。日本メーカーは営業利益率が1ケタ台だが、今回の買収先4社は平均17%超。アサヒが国内で繰り広げてきたシェア争いと次元の異なる戦い方を知る。
 旧SABミラーの幹部だったアサヒヨーロッパのヘクター・ゴロサベル最高経営責任者(CEO)は「スーパードライも高級路線の品ぞろえに加えられる」と指摘する。

 アサヒには、苦い思い出がある。1990年代に出資したオーストラリアのビール会社が経営に失敗したことだ。「あれから海外事業に慎重になった」とアサヒ幹部は振り返る。並行して87年発売のスーパードライが成功。より国内に傾斜してしまった経緯がある。
 海外では、最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が2位のSABミラーを買収して世界シェアの3割を握った。もはや内需縮小が続く国内を起点に成長を追うのは難しい。

 アサヒは次の一手として、旧SABミラーの東欧事業やベトナム最大手企業の買収を視野に入れる。小路社長は「買収資金として4千億円を用意している。海外比率を2~3割に引き上げたい」と意欲を示す。

 記者会見で小路社長はあるスライドを示し、世界の舞台で勝負する執念を見せた。世界大手をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で比較すると、アサヒがインベブに次ぐ2位だという内容だ。規模に頼らず、海外でどう強さを磨くのか。ペローニなどとの統合作業が最初の試金石になる。

 

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[ 2016年12月13日 ]

 

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