ＰＴは豊洲の主要棟の建築費膨張の背景として、工事入札が不調に終わった後、都がゼネコンへのヒアリングを経て再入札の予定価格を引き上げたことなどを改めて指摘した。
　小池氏は報道陣に「高すぎる。途中で止める人がいなかったのか疑問に思う」と述べた。
都の中央卸売市場の担当者は「公共の建物として耐震性を強くしたなどの事情があり、ＰＴに説明したい」としている。
以上、報道参照

＜管理費用も当然高くなる＞
２０１６年１０月、豊洲市場について、都が稼働した場合の年間の維持管理費を約７６億５８００万円と試算していることが１２日わかったと報道されていた。
築地の維持管理費の約４．９倍となり、小池百合子知事は削減する意向。
都の試算では、
豊洲の１日当たりの警備、設備保守などの委託料が約９５０万円、光熱水費が約１１５０万円で、その合計となる維持管理費は約２１００万円。
年間換算では、計約７６億５８００万円に達する。
一方、築地は、平成２７年度の実績から計算した１日当たりの委託料が約１５３万円、水道光熱費が約２７８万円で計約４３１万円。年間では計約１５億７２００万円となる。
豊洲では、温度を調節する冷暖房システムの費用だけで１日当たり約２２０万円かかると試算されている。

＜年間１００億円赤字の豊洲市場＞
修繕費などの経費を加えると年間１００億円の支出となり、建物の減価償却を考慮すると１６６億円の経費がかかる。
一方、豊洲市場は施設使用料を徴収することで収入を得ることができるが、この金額は年間約６８億円と試算されている。築地の施設使用料収入は約５０億円。
収支から支出を差し引いた営業損益は年間約１００億円の赤字となる。

＜豊洲市場を使用するには膨大な追加費用が必要＞
今後、最低でも、地下空間の壁を防水シートと防水コンクリにより、有害物質を遮断する工事が必要となる。この工事費用も膨大な工事代が必要となる。
追加工事により、さらに建物の減価償却費は大きくなり、毎年の赤字は１００億円を大きく上回ってくる。

現在の豊洲市場のザマ：
日本一大きい日建設計が、豊洲市場を有害物質除去含む造成工事の設計および建屋の設計を請け負っており、プロとして、大きな問題を残している。

＜同時期に完成した福岡市の青果市場＞
比較してみましょう。
福岡市の青果市場は、豊洲市場より半年前に竣工している。
福岡市青果市場は、敷地面積、延床面積も豊洲市場より大きい。
福岡市の面積には管理棟も含んでいるが、豊洲は青果市場だけの構造となっている。
福岡市青果市場の建築工事費用を延床面積で割れば、１９２千円／㎡
豊洲市場の建築費用は、２６７千円／㎡
豊洲市場は福岡市場より３８．９％高くなっている。

東京都のPTが計算根拠にしている価格は、築地と比較するため、青果棟の冷暖房等の設備費用も含んでいる可能性もある。福岡市場では、業界整備となっている。